きょうの健康2020年2月26日放送は高齢者ビギナーズ入門というテーマで今回は、「階段で息切れするようになったら」が紹介されました。
加齢によって上りの階段で息切れすることはよくあることでもそこに喫煙歴がある場合、怖い病気が潜んでいることが多いんです。
今回は階段で息切れするようになった時の対策や工夫について教えてくれました。
息切れについて教えてくれたのは、東京医療学院大学客員教授 木田厚瑞先生です。
目次
階段で息切れするようになったら
講師:東京医療学院大学客員教授 木田厚瑞先生
息切れや呼吸に関するスペシャリストです。
キャスター:黒沢保裕さん・岩田まこ都さん
木田厚瑞先生によると、同世代の人と階段を上がって自分だけ遅れる場合、
年齢のせいではなく、病気が隠れている可能性があるそうです。
階段で息切れするようになったら今回のポイント
息切れを起こす病気とは?
以前は平気だった階段を上ることによって息切れを起こすようになった場合、原因は主に2つあります。
・心臓の病気
心臓のポンプ作用が低下する⇒息切れ(心不全)
心不全:心臓の病気や高血圧を持っていると加齢に伴い起こりやすくなるそうです。
危険な心不全を疑う!
階段での息切れに加えて
・足がむくむ
・体重が急激に増えた
・睡眠後すぐ白いたん・せきが出る
・肺の病気
特に多いのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPD:40歳以上の8.6% 国内で700万人以上と推計されていますが、治療を受けている人が少ないそうです。
放置すると
⇒息切れがだんだん強くなる
⇒進行すると家から外に出られない⇒寝たきりに
年と共に増えるCOPD
COPDの原因として最も多いのがタバコです。
タバコを吸っていると肺の中の広い範囲で炎症が起こります。
すると長年の間に酸素と二酸化炭素の交換ができなくなり、酸素を取り込む肺胞の壁が破壊され、酸素を十分に取れ込めなくなります。
また、炎症によって細い気管支の壁が厚くなるため空気の通り道が全体的に狭くなります。
加齢と共に肺の弾力が失われていくため肺はしぼむことが出来なくなり膨れあがります。
そうなると息を速く吸ったり吐いたりすることができません。
体を動かした時必要な酸素を取り込めなくなるため、息切れするようになります。
呼吸すること自体も辛くなり、次第に日常生活が困難になっていきます。
COPDを起こしやすいのは
・喫煙歴
・受動喫煙歴
・親・きょうだいなどに肺の病気
・子供の頃喘息気味・よく風邪をひいた(肺が十分発育しない)⇒喫煙歴なしでもCOPDを発症した人もいるそうです。
↓
加齢⇒COPDを発症
紹介されたグラフによると60歳頃から増え始め、75歳頃がピークのようです。
COPDの症状
↓1.せき・たんが続く
↓2.長めの階段などで息切れ⇒COPDの場合、ある程度進んでいる段階(早期受診を)
↓3.平地を歩くだけで息切れ
↓4.安静時でも呼吸が苦しい
●COPDの典型症状:同世代と歩いて追いつけない。以前のように荷物を運べない。
COPD:かぜが長引く・治らないと感じることが多いそうです。
⇒「増悪」が起きている
●かぜで起こる「COPDの増悪」
・せき・たん、息切れが強くなる
・夜中寝ている時も苦しい
・食欲低下、痩せる
増悪の度に呼吸機能が低下するそうです。
・かぜのような症状が長引く場合
木田厚瑞先生によると、COPDをかぜと思い込まないことが大事だそうです。
COPDの検査
・スパイロメーター:最初の1秒間で吸った空気の何%を吐き出せたかを示すものだそうです。
・平地歩行検査:6分間歩き血液中の酸素の量などを測るそうです。
これらの検査で日常生活の低下の度合いを把握するそうです。
実践!自分で出来る息切れ対策
COPD息切れ対策の基本
・完全な禁煙⇒2週間ほどでせき・たんが減る。呼吸が楽になる。
・日常的に続けられる運動⇒上半身を鍛える(息切れが楽になる)。
木田厚瑞先生によると、上半身には呼吸に関わる筋肉が多いそうです。
・呼吸法を覚える
口すぼめ呼吸のやり方
1.口から30cmほど離した手の平に口笛を吹くように息を吐き当てます。
2.鼻から吸って口から吐きます。
これを練習し、実際に階段や坂道で行います。
※階段・坂道を上がる時の呼吸のリズム(吐く時間の方を長くします)を自分で覚えて行います。
例えば、吸う時は2段、吐く時は4段など
*口すぼめ呼吸を日常生活で行う⇒呼吸が楽になります。
木田厚瑞先生によると、健康な人でも役立つそうです。
今回の詳細についてはきょうの健康2020年2月号に掲載されています。
最後に
確かに禁煙すると呼吸が楽になり、空気も美味しく感じるようになります。
たばこの匂いが嫌いになり、今までかなり迷惑かけたなとやめた頃思いました。
➡ 呼吸法の記事一覧はこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。