【きょうの健康】高血圧対策!新しい降圧目標まで下げるには!

きょうの健康 高血圧 対策

2019年9月30日放送のきょうの健康は、高血圧対策 ここが肝心!というテーマで今回は、「ここまで下げよう」が紹介されました。
血圧を下げる目標値が厳しくなったのはご存じですか?「ここまで下げよう」が今回のテーマです。
高血圧対策について教えてくださったのは、公立刈田総合病院 特別管理者 伊藤貞嘉先生です。

高血圧対策ここまで下げよう

講師:公立刈田総合病院 特別管理者 伊藤貞嘉先生(専門は高血圧・腎臓病)
新しい時代の高血圧対策を解説してくれました。
司会:黒沢保裕さん・岩田まこ都さん

高血圧の人がどこまで血圧を下げたら良いのか。それを降圧目標というのですが、
その値が今年変わりました。
【きょうの健康】4月24日速報!高血圧治療ガイドライン2019

今まで:上(収縮期血圧)140未満かつ下(拡張期血圧)90未満
 ↓
新しい高圧目標(今年から):130未満かつ80未満

伊藤貞嘉先生によると、
140/90未満より、130/80未満の方が脳血管疾患や心臓病による死亡が少なくなると言う事でした。

高血圧対策ここまで下げよう今回のポイント

厳しくなった降圧目標

高血圧の方は、130未満かつ80未満を目標に治療します。
でもそれは高血圧の診断基準とは異なります。

Q.血圧の降圧目標と診断基準が違う?

●医療機関での測定(診察室血圧)

  • 高血圧と診断:140以上/90以上
  • 高値血圧(正常高値):130~139/80~89
  • 降圧目標:130未満/80未満

●個人での足底(家庭血圧)平均値
高血圧と診断:135/85以上
降圧目標:125/75未満
※なお、こちらでは、特に断らない限り、血圧の値は診察室血圧です。

脳卒中・心筋梗塞などによる死亡率(40~64歳)
120未満/80未満:1%
130~/85~:2倍
140~/90~:3倍
160~/100~:5倍
180~/110~:8倍
●高血圧診断の具体例

現在血圧が136/84の方なら、従来の降圧目標140/90未満は達成していますが、
しかし、これで安心せず、新しい降圧目標130/80未満まで しっかり治療します。
だからといってすぐに薬で下げるのではなく、まずは生活習慣を改善を行います。

健康診断で血圧が136/86だった場合、高血圧とは診断されませんが、
生活習慣の改善で130/80未満を目指します。

降圧目標130/80未満は75歳未満の場合です。
75歳以上の方は、原則として140/90未満を目指します。

サイレントキラー高血圧

高血圧はサイレントキラーと呼ばれます。静かな殺し屋という意味です。

Q.高血圧はなぜサイレントキラー?
高潔は痛みを感じませんし、ほとんど症状もありません。
ところがある日突然血管が詰まったり、破裂したりして、脳卒中や心筋梗塞を起こして、
死亡する、高度な合併症を起こすなど、とても恐ろしい殺し屋ということになります。
実際に日本では高血圧が原因で年間10万人以上が死亡しているそうです。

高血圧が影響する主な病気には、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全があります。

Q.高血圧が、脳や心臓、腎臓にダメージを及ぼすのはなぜ?
実はこの3つの臓器には、血管の構造にある共通点があるそうです。

例えば腕では太い動脈から先に行くにつれだんだん細くなるため、高血圧があっても一番先の細い血管には影響しないそうです。
一方、脳では、直径3~6mmの太い動脈が0.1mm以下の細い血管、穿通枝(せんつうし)に、いきなり枝分かれします。
そして心臓では、直径2.5cmの大動脈から、2~3mmの冠動脈に枝分かれします。
そして腎臓では、直径3~5mmの動脈から、0.05mm以下の血管に枝分かれします。
このため、3つの臓器では、高血圧によって起こる太い血管の高い圧力や強い拍動が、そのまま細い血管に伝わり、大きなダメージを与えてしまうのです。

さらに高血圧は認知症のリスクではるということが最近分かってきたそうです。

●認知症の発症率
120未満/80未満:1
130~/85~:2.4倍
140~/90~:6.0倍
160~/100~:10.1倍
福岡県久山町の住民の方を30年あまり研究してきた結果です。
120未満/80未満を1とすると血圧が高い人ほど認知症を発症する割合が高くなりました。

Q.高血圧は認知症にも影響する?
中高年の頃の高血圧が将来の認知症に影響する可能性があるので、若い時から血圧管理はしっかり行いましょう。

【高血圧】今すぐ対策を始めよう

高血圧と診断された場合は、薬で治療することもありますが、まず大事なのは生活習慣の改善です!

●高血圧につながる生活習慣

  • 塩分の摂り過ぎ
  • 肥満
  • 運動不足

●塩分の摂りすぎ:日本人で大きな問題として減塩と言うことが高血圧対策には欠かせません。

●肥満:内臓脂肪が分泌する物質⇒高血圧の原因
Q.体重が減ると血圧は下がるの?
◆体重の3%以上減⇒血圧が下がる
3%とは:
・80kgなら2.4kg
・90kgなら2.7kg
◆体重4kg減⇒上4.5/下3.2下がる

●運動不足:
高血圧の運動療法ニコニコペース(苦しくないペース) の早歩き 1日30分(10分×3回でも可)
日常生活でも体をこまめに動かしましょう。

◆運動の効果:血圧を下げるだけでなく
・ストレス解消
・糖尿病・脳卒中・心筋梗塞・認知症を防ぎます。
・骨が丈夫になる
ただし、血圧が特に高い方・合併症がある方は主治医に相談してから運動を。

さらに高血圧の方は、節酒・禁煙がすすめられます。
・飲酒:長期的に飲む習慣のある方、特に大量に飲む方は高血圧・睡眠時無呼吸症候群になることが分かっているそうです。
お酒を飲む方はほどほど(適量)にとどめましょう^^

・喫煙:高血圧の他、脳卒中、心筋梗塞、がんのリスクにもつながります。

最後に

高血圧は本当に怖いです。
健康長寿のため、血圧管理をしっかり行いましょう。
減塩も慣れればそう難しくないです。味付けはスパイス多めでやっています^^
時々外食でラーメンやカレーを食べたくなりますが、病気のことを考えると、食べたくなくなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。