【きょうの健康】夜間頻尿の原因と原因の調べ方を泌尿器科髙橋悟先生が紹介

きょうの健康 夜間頻尿 髙橋悟
きょうの健康2020年1月27日放送はトラブル解決!“尿と便”というテーマで今回は、「眠れない…夜間の頻尿」が紹介されました。
寝ている間にトイレに起きてしまうことありませんか?実はこれ夜間頻尿という病気かも?
夜間頻尿に悩む人は4500万人。しかも年齢と共にトイレに起きる回数が増えてしまうんです。
夜間頻尿について教えてくれたのは、日本大学 教授 髙橋悟先生です。

眠れない…夜間の頻尿

講師:日本大学 教授 髙橋悟先生
頻尿治療のスペシャリストです。
キャスター:黒沢保裕さん・岩田まこ都さん

夜中にトイレに起きる人
・40歳~:30%近く
・50歳~:50%近く
・60歳~:80%近く
・70歳~:80%以上
・80歳~:90%以上
髙橋悟先生によると、夜間頻尿は日中の眠気・疲労感が現れて日常生活に影響するそうです。
また、夜暗いときにトイレに行くので転倒のリスクも増えると言われているそうです。

夜間頻尿今回のポイント

夜間頻尿なぜ起きる?

夜間頻尿が起きる原因は3つあります。

夜間頻尿の原因

1.夜間多尿
通常腎臓は血液をろ過し、体にいらないものを尿として出します。
それは24時間絶え間なく行われています。
ただし寝ている間は視床下部から抗利尿ホルモンが出て腎臓に作用して尿の量を減らします。
この抗利尿ホルモンのおかげで安眠することができます。
しかし、年齢と共に抗利尿ホルモンが減少し、寝ている間も尿が多く作られるようになるんです。
その結果、夜間多尿になり、起きる回数が増えてしまうんです。
夜間多尿のもう一つの原因:心臓・腎臓の機能が低下して下半身に水分がたまってむくむのですが、夜横になると下半身の水分が心臓と腎臓に戻るため、夜間の尿量が増えると言われているそうです。
さらに水分の摂りすぎも夜間多尿の原因だそうです。
脳梗塞予防や糖尿病・塩分の摂りすぎでのどが渇きやすくなり、水分を摂り過ぎてしまうからだそうです。

2.膀胱が小さくなる
腎臓で作られた尿は、一旦膀胱にためられます。
膀胱はしなやかな筋肉組織で作られていて、広がることで尿をたくさんためることができます。
ところが加齢によって、膀胱の筋肉組織にしなやかさがなくなり、膀胱は小さいまま広がらなくなり、膀胱にためられる尿が少なくなってしまい、頻尿になってしまうんです。
その他、膀胱に少し尿がたまっただけでも強い尿意を感じ、膀胱が勝手に排尿を始めてしまう過活動膀胱も夜間頻尿の原因になるそうです。

3.睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群が夜間頻尿と関連していると言われているそうです。
・眠りが浅くなり、軽い尿意でも排尿したくなります。
・夜中に何度も目覚めた状態になるため、抗利尿ホルモンが減り、尿の量が増えます。

【夜間頻尿】あなたの原因はなに?

原因解明の秘訣:目盛り付きのコップ
髙橋悟先生によると、尿の量を量ることで夜間頻尿の原因が分かるそうです。
1日の1回ごとの尿を量り、「排尿日記」をつけます。
24時間分の尿量を量り、時刻ともに記録していきます。
古くなった計量カップやコップに目盛りをつけた容器でも良いので原因が気になる方はやってみてください。

起床・就寝時間も記録します。
排尿日記は3日分とるのがおすすめです。
●夜間多尿:夜間尿量が1日の尿量の33%以上。
●膀胱が小さくなる:
・1回の尿量が200mL以下
・昼夜共に頻尿
●睡眠障害:夜間にだけ排尿回数が増えている場合。

【夜間頻尿】自分に合った治療法

「夜間多尿」「膀胱が小さくなる」「睡眠障害」それぞれの場合で治療法が異なります。

夜間多尿

生活改善の効果
  • 水を飲み過ぎない
  • 塩分を控える
  • アルコール・カフェインの制限
  • 夕方にウォーキングなど30分程度の運動
  • 早めに入浴・夕食を済ます

上記の生活改善を行ったところ、改善前の排尿回数が平均3.8回⇒1ヶ月後平均1.9回にまで改善したそうです。
*髙橋先生他、第107回泌尿器科学会総会発表

◆適切な水分摂取
適切な水分摂取量=20~25×体重(mL)
・例:体重60kgの人:20~25×60=1日1200~1500mL
*アルコールやカフェインは利尿作用があるのでなるべく控えましょう。
ただし、暑い日には熱中症などの危険あるため、過度に水分を減らしすぎないよう注意します。

◆適度な運動
・下半身にたまった水分を心臓に戻すことができ、夜間の尿量を減らすのに役立ちます。
・余った水分を汗として排出するのも効果的だとされています。

膀胱が小さくなる

治療の基本は薬物療法

・抗コリン薬:膀胱の収縮を押さえます。
・β3作動薬:膀胱の筋肉を緩めて尿をためやすくします。

睡眠障害

睡眠時無呼吸症候群に対してはCPAP(シーパップ)という鼻につけるマスクによる治療が有効です。

今回の詳細についてはきょうの健康2020年1月号に掲載されています。

最後に

私の父が糖尿病で夜間頻尿でしたが、毎日必ず昼寝をしていました。
眠気と疲労感があり、物損ですが、交通事故を起こし、免許の返納をしました。
最近高齢者による事故が多いですが、もしかしたら夜間頻尿による眠気で起こしているかも知れません?
最後までお読みいただきありがとうございました。