きょうの健康今回のテーマはトラブル解決!“尿と便”。2019年7月1日は眠れない…夜間の頻尿。
寝ている間にトイレに起きてしまうことありませんか?実はこれ「夜間頻尿」という病気かも?
夜間頻尿になる人は4500万人しかも年齢とともにトイレに目覚める回数が増えてしまうんです。
そこでとっておきの対策はあるものを活用するとあなたに合った治療を選択することができるんです!
教えてくださったのは、日本大学 教授 髙橋悟先生です。
頻尿治療のスペシャリストです。
司会は、黒沢保裕さんと岩田まこ都さんのお2人です。
夜間頻尿
夜中にトイレに起きる人
40歳~:30%
50歳~:50%
60歳~:80%弱
70歳~:80%強
80歳~:90%
Q.高齢になると夜間頻尿が増える?
髙橋悟先生「間違いなく増えます。 夜間頻尿 になると慢性的な睡眠不足になります。
日中の眠気・疲労感が表れて日常生活に影響します。
あともう一つ困ったことが、夜トイレに行く時、転倒のリスクが増えるといわれています」
今回のポイント(夜間の頻尿)
●夜間頻尿 なぜ起きる?
夜間頻尿が起こる原因は3つあります。
1.夜間多尿
夜間の尿が増えてしまうことです。
腎臓は血液を濾(ろ)過していらないものを「尿」として出します。
これは24時間絶え間なく行われます。
ただし、寝ている間は、視床下部から抗利尿ホルモンがでています。
抗利尿ホルモンは腎臓に作用して尿の量を減らします。
つまり私たちは抗利尿ホルモンのおかげで安眠することができるんです。
ところが年齢とともに抗利尿ホルモンの分泌が減少してしまい寝ている間も尿が多く作られるようになるんです。
その結果、多尿になって夜中に起きる回数が増えてしまうんです。
夜間多尿の原因:心臓・腎臓の機能が低下して下半身に水分がたまりやすくなりむくみます。
横になると(下半身の水分が)心臓と腎臓に戻るため夜間の尿量が増えるといわれています。
糖尿病:塩分の摂り過ぎ⇒のどが渇きやすくなり水分を摂り過ぎてしまいます。
2.膀胱(ぼうこう)が小さくなる
腎臓で作られた尿は、一旦膀胱にためられます。
膀胱はしなやかな筋肉組織でできていて、広がることで尿をたくさんためることができます。
ところが加齢によって膀胱の筋肉組織にしなやかさがなくなり硬くなってしまうと、膀胱は小さいまま広がらなくなります。
そのため膀胱にためられる尿の量が少なくなってしまい、頻尿になってしまうのです。
過活動膀胱:膀胱に少し尿がたまっただけでも強い尿意を感じてしまうことで夜間頻尿になるといわれています。
3.睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群がよく夜間頻尿と関連しているといわれています。
⇒ きょうの健康すっきり解消!睡眠の悩み睡眠時無呼吸症候群
Q.睡眠時無呼吸症候群が夜間頻尿につながるのはなぜ?
・眠りが浅くなり、軽い尿意でも排尿したくなります。
・何度も目覚めた状態になるため、抗利尿ホルモンが減り、尿の量が増えます。
●あなたの原因はなに?
夜間頻尿の原因は3つ。夜間多尿・膀胱が小さくなる・睡眠障害です。
そのうちのどれが原因になっているのかを解明する秘策が目盛り付きのコップなんです。
それは尿を量ることで原因が分かるんです!?
*1回ごとに尿を量り「排尿日記」をつけることで1日の排尿のパターンを客観的に見ることができます。
日記には24時間排尿の度に時間と量を記録します。
また、起床・就寝の時間も記入してください。
・1回尿量が多い250~300mlと膀胱が小さくないと言うことが分かります。
2日から3日分つけるのがおすすめです。
*1日の尿量は、起床後2回目の排尿から計算してください。
また、夜間の尿量も別に計算し、夜間排尿の割合をだします。
・夜間の尿量が1日の尿量の33%以上の場合、夜間多尿になります。
排尿日記の記入例は、こちら
・1回の尿量が200ml以下、昼夜ともに頻尿⇒膀胱が小さくなる
・夜間だけ排尿回数が増えている⇒睡眠障害
●自分に合った治療法
夜間頻尿の3つの原因、夜間多尿・膀胱が小さくなる・睡眠障害それぞれの場合で治療法が異なります。
◆夜間多尿:
▼適切な水分を摂取することを心がけましょう。
*20~25×体重(ml)
例:60kgの人の場合、20~25×60=1200~1500mlが適切な水分摂取量になります。
また、アルコールやカフェインは利尿作用があるため控えるようにしましょう。
▼適度な運動
・下半身にたまった水分を心臓へ戻すことができます。
・また汗で余分な水分を体外へ排出することにより、排尿を減らすことができます。
▼生活改善の効果
・水を飲み過ぎない
・塩分を控える
・アルコール・カフェインの制限
・夕方に30分程度の運動
・早めに入浴・夕食など
夜間の回数:改善前平均約3.8回⇒改善1ヶ月⇒平均約1.9回
Q.水分を減らして血液中の水分が減り病気にならない?
注意:暑い日には熱中症の危険があるため、 過度に水分を制限しないようにしましょう。
◆膀胱が小さくなっている場合:
▼治療の基本は薬物療法
・抗コリン薬:膀胱の収縮を抑えます。
・β3作動薬:膀胱の筋肉を緩めて尿をためやすくします。
◆睡眠障害:
▼睡眠時無呼吸症候群=CPAP(シーパップ)
⇒ きょうの健康すっきり解消!睡眠の悩み睡眠時無呼吸症候群(睡眠時無呼吸症候群の治療)
今回の詳しい内容については、きょうの健康7月号に掲載されていますので、是非参考になさってください。
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最後に
夜間頻尿は私もあります。
原因は上述のリンク先で分かるように睡眠時無呼吸症候群です。
CPAPを使用していますが、冬や夏はあまり眠れないので、頻尿はあります。
水分補給をこまめにするよう指導されているせいかも入れません。
病気にならないよう正しい生活習慣を心がけてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。