【ゲンキの時間】パーキンソン病?聞いた事はあるけれどよく知らない病気

よく知らない病気

健康カプセルゲンキの時間2019年10月20日放送のでは「聞いた事はあるけれどよく知らない病気」について紹介されました。
あなたはこの病気について知っていますか?「バセドウ病」「むずむず脚症候群」など世の中には聞いた事はあるけれどよく知らない病気がたくさん。
教えてくださったのは、順天堂大学医学部附属 順天堂医院長 総合診療科 森博威先生の他、それぞれの専門医の先生方です。

森博威先生によると、あまり知られていない病気の中にも患者数が非常に多い病気もあり、 これらは知識不足から治療が遅れると重篤化することもあるので注意が必要とのこと。

聞いた事はあるけれどよく知らない病気

突如襲うみぞおちの激痛 「胆石症」堀正史さん(51)の体験談

発症は今から4年前、正に地獄を味わった経験だったそうです。
堀さん「夕食に大好きな鶏の唐揚げを食べて、食後20~30分したらみぞおちにすごい激痛が来て、 普通に座っていられる状態でなく、床に倒れ込んでどこに身体を向けても痛みが取れなく本当に七転八倒。
痛みはどんどん増す、本当に脂汗が出てきて、顔は真っ青になって・・・」

実際に堀さんを治療した神奈川県横浜市けいゆう病院 消化器外科 診療部長 関博章先生に聞くと、
Q.原因は?
関先生が「原因はこれです」と見せてくれたのは「丸い石のようなものでした。
それは「胆石」という胆のうの中に石ができる事で痛みが起きる病気で「胆石症」という病気でした。

胆石症:食事をすると肝臓では、脂肪を分解を助ける胆汁という消化液が作られます。
この胆汁は十二指腸へ送られる前に一時的に胆のうにためられます。
この胆のうの中に胆石ができ、これが胆のうの出口に詰まると堀さんのようにみぞおちに激痛が現れます。

●胆のうに石ができる原因
関博章先生によると、脂肪分の多い食事を摂る事で、コレステロールが胆汁の中に増えてそれが結晶になって石ができるとのこと。

堀さんは、普段肉系が好きで、焼肉、から揚げなど胆石の原因となる脂肪分が大好きでほぼ毎日欠かさず肉料理や揚げ物を食べていたんだそう。

◆胆石症のリスク高
・悪玉(LDL)コレステロール値が高い
・中性脂肪値が高い

堀さんの発症当時の血液検査の結果
・LDL:158mg/dL(正常値139以下)
・中性脂肪:174mg/dL(正常値150以下)
胆石症は脂肪分の多い食事の後に症状が現れやすいそうです。

そして胆石症には恐ろしい事実が!
関博章先生「胆石を持っている人の大部分は症状がありません。
自分で胆石を持っている事を知らない患者さんも結構いらっしゃいます」
実は日本では、食事の欧米化に伴い胆石の保有者は年々増加しており、
現在胆石の保有者数は国内1000万人以上と試算されているそうです。
出典:医学図書出版「急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018」
関博章先生「身体の中に爆弾を抱えているようなそれがいつ爆発を起こして発作を起こすか分からない状態です」

堀さんの場合、手術で胆のうごと摘出したそうです。
胆のう摘出後は、大きな後遺症はほとんどないため胆石症の治療で広く行われているそうです。

食後にみぞおちが痛む方は、すでに胆石症が発症している可能性もあります。
エコー検査で胆石の有無が調べられるので、気になる方はかかりつけ医に相談してみましょう。

全身に広がる骨の破壊「関節リウマチ」角田美佐枝さん(68)の体験談

最初に症状が現れたのは今から43年前だったそうです。
角田さん「朝起きたときになんとなく手が疼く、それが毎日朝起きるとあって・・・
朝起きたときが一番おかしいけど、だだんだん和らいでくるけれど、症状がゼロにならないです。
おかしいなと思ったのですが、重大な病気にかかっているとはさらさら思っていなかった」
しかし、その症状はみるみる悪化痛みは手だけに収まらず、手首、ひじ、肩、ひざなど全身の関節に及んだと言います。
実はこの時、角田さんの全身の関節ではとんでもない事が!
病院で最初の検査を受けたのは発症から2ヶ月後。
角田さん「病院から1週間後に来てくださいと言われ、行きましたら即座に“リウマチです”」

関節リウマチとは?
東京女子医科大学病院 膠原(こうげん)病リウマチ痛風センター 膠原病リウマチ内科 宇学博士 田中栄一先生に聞くと、
関節リウマチ:全身の関節(特に手が多い)で症状が現れるびょうきで、免疫が自分の関節を攻撃してしまい、炎症を引き起こすそうです。
原因は今現在分かっていないのが実情だそうです。
免疫細胞が何らかの理由で暴走滑膜を攻撃し、炎症を起こします。
こうなると、痛みや腫れなどの症状が現れます。
さらに悪化すると、免疫細胞は骨や軟骨まで攻撃し、関節を破壊します。
角田さんも両手首・指・ひじの関節が変形し、自由に動かせなくなったそうです。
現在は、人工関節で少し動くようになったようですが、支障があるそうです。
関節リウマチの治療薬は劇的な進歩を遂げており、その結果、発症前とほとんど変わらない生活を送れるようになった人が増加しているそうです。

田中栄一先生「関節リウマチは、発症してから最初の2年間が関節の破壊が進みやすいと言われています。
なので、なるべく早期に発見して、適切な治療を早期から行うことが関節の破壊を最小限に食い止めるために大事です」

●関節リウマチ早期発見のポイント
・3ヶ所以上の関節に痛みがあり、その部分が腫れている
・朝1時間以上、関節を動かしづらいなどのこわばりを感じる
・症状が左右対称に現れる
心当たりがある方は、リウマチ専門医を受診しましょう。

スタジオで順天堂大学医学部附属 順天堂医院長 総合診療科 森博威先生が解説してくれました。

Q.体の中に石ができる事ってよくある?
身体の中で作られる石は結石と呼ばれ、大別すると2種類。
・胆のう・胆管にできる⇒胆石症
・腎臓・尿管・膀胱にできる⇒尿路結石症
共に脂肪分の多い食事でできる生活習慣病になります。

Q.手足口病とは?
手足口病は夏に流行する風邪のようなウイルスが起こす感染症です。
名前の通り、手の平・足の裏・口の中に痛みを伴う発疹が現れてきます。
子どもが発症することが多いが大人にもうつってしまって、
大人は症状が重く出やすいので注意が必要

身体の自由を奪う謎の病「パーキンソン病」舟波真美さん(62)の体験談

発症したのは今から27年前35歳の時でした。
舟波さん「指が何となく震えて、ヒジの痛みと足の指が何となく痛くて、
全部右だったのですが、右側に痛みの症状が出ていた。片側だけです」
やがて歩いているとき無意識に右足を引きずるようになったそうです。
結局病名が分かったのは発症から2年後だったそうです。

順天堂大学医学部附属 順天堂医院 脳神経内科 准教授 医学博士 波田野琢先生によると、
パーキンソン病:ドーパミンという神経伝達物質を作る細胞が壊れていく病気。
ドーパミン:身体を思い通りに動かすのに欠かせない神経伝達物質。
ドーパミンは、脳の黒質という部分で作られますが、パーキンソン病の場合、何らかの原因で黒質の神経細胞が減少。
ドーパミンが作られなくなってしまうのです。
すると身体を思い通りに動かせなくなり、手の震えや動作が遅くなるなど症状が現れ、重度の場合は寝たきりに。
また、感情と関わりがあるドーパミンが減るため、意欲の低下や気分の落ち込みなどうつ症状が現れることもあります。
しかも波田野琢先生によると「今のところ根本的に病気の進行を止めると証明できている治療法がない」
舟波さんは現在薬でドーパミンを補充する対処療法を行っているそうです。
しかし、その薬は、1時間半ほどで切れてしまうため1日に何度も飲む必要があります。
舟波さんは外出の途中で薬が切れ、電車に座っていて降りる駅についても立ち上がれないので、諦めたことが何回もあったそうです。

パーキンソン病によって身体の自由を奪われた舟波さん。ところが10年前に始めたあることが薬に負けない効果を発揮!
それが、卓球!?近年、卓球などの運動が病気の進行を抑えるのに有効だと注目されているんです。
波田野琢先生「実は運動は勉強するよりも頭を使う。脳の半分は運動のために作られているので、 脳の神経回路をよくすることで病気の進行が抑えられるのではないかと言われています」
パーキンソン病などによって身体を動かさないでいると脳からの神経の通り道神経回路が衰え、身体を動かすことがますます困難になります。
運動は、その神経回路を維持し、脳へドーパミンを出すよう働きかけられると考えられています。

さらに、楽しいことや心がワクワクすると、脳内でドーパミンが作られ、症状が一時的に和らぐといわれているんです。
波田野琢先生「内にこもってしまうと、病気は悪くなってくるので、病気をきっかけにコミュニケーションをとる事は、
病気と闘うという意味でとても大事な事だと思います」

さらに現在、パーキンソン病治療として、期待されているのがiPS細胞を使った“再生医療”。
iPS細胞からドーパミンを出す神経細胞を作り、これをパーキンソン病患者の脳に移植する方法です。
これが昨年国内で実際に行われ、世界初のパーキンソン病での治験として注目を浴びたのです!
パーキンソン病克服も、そう遠くないかも知れません!
モハメド・アリ氏もパーキンソン病を患いお亡くなりなりましたが、もっと早くこのようなことが分かっていたらと残念に思います。

Q.症状を正しく伝えるために、受診前にしておいた方がよい事は?
森博威先生「症状の言い忘れがないようにメモをとっておくと便利です。」
「また、いつから・どのように調子が悪いのか、体温の変化・病歴・薬やサプリについて正しく伝えるようにしてください」

Q.診断に納得がいかない場合、他の病院に行ってもいい?
森博威先生「全く嫌な思いはしません。それよりも専門性が違うと全く別の意見が出てくる事があるので」
「ただ1点だけ注意してもらいたいのが、かかりつけ医に全く何も言わずに他の病院にかかってしまうと、 これまで行った検査や治療が全く分からないので、他の病院にかかるのは全く問題はないが、 その前に紹介状を書いてもらってからなら、次の病院でスムーズに状況が分かって治療できると思います」

最後に

本当に聞いたことあるけど、知らない病気ってたくさんありますよね。
有名人などがかかると調べますが、普段気にしていない病気っていくらでもありそうですね。
なので、違和感を覚えたらすぐに病院へ行くことですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。