2019年7月25日放送のきょうの健康は、簡単チェック!手のしびれ・痛みの原因というテーマで「指にとげが??“関節”」について紹介されました。
指先が少し腫れるくらいの症状から次第に痛みを感じるようになり、指の第1関節が変形してしまう病気があり、その病気を「変形性指関節症」といいます。
指の関節 の骨のトゲ(骨の出っ張り)ができ、痛みや変形「変形性指関節症」について紹介されました。
教えてくれたのは、聖隷浜松病院 手外科・マイクロサージャリーセンター センター長 大井宏之先生です。
目次
変形性指関節症
Q.どういう病気?
手の指だけでなく、ヒザなど別の関節にも変形などが起こる関節リウマチとは違い、
変形性指関節症の特徴は、
- 指の特定の関節に起こります。
- 腫れ・痛みが続き次第に変形
変形性指関節症にはさまざまなタイプがあり、多いのがへバーデン結節や母指CM関節症(親指の先から3番目の関節がCM関節)です。
変形性指関節症は腫れや痛みが生じ、進行すると骨にトゲができたりします。
変形性指関節症のしくみ
指の関節には、X線写真には写らない軟骨(隙間)があり、通常はクッションの役割をしていてそれにより、関節を広い角度で動かす事ができます。
ところがへバーデン結節には隙間(軟骨)がありません。軟骨がないため、骨と骨がくっついてしまっています。
このような変形性指関節症は軟骨が減少してしまう事によって起こる病気です。
何らかの原因で骨と骨の間関節の軟骨が減ってきますと、
クッションとしての役割が果たせなくなって、骨が不安定になり、ぐらつきやすくなります。
そして関節に負担がかかるようになってくると変形が生じて、腫れや痛みを感じる場合があります。
やがて、軟骨がなくなりますと、骨と骨が直接ぶつかり合うようになります。
そしてその影響で骨のトゲができてきて強い痛みを感じる事があります。
そのまま治療せず、指を使い続けていると、指が曲がるなど変形してしまうこともあります。
やがて骨同士がくっついて、指が変形したまま固定すると、炎症は治まり、腫れや痛みも治まります。
がしかし、指は変形したままになります。
変形性指関節症の症状
Q.変形性指関節症の指の変形は発症してどれくらいの期間でなる?
人によって期間が違うため、一概にはいえないそうです。
2~3年で進行してしまう人もいれば、もっとゆっくり進行する人の場合もあるようです。
Q.患者さんにとって一番つらいのはどういう症状?
変形性指関節症の症状
- 指を使うたびに痛む
- 指の可動範囲が狭まる
- 指が変形する
症状はこの3つですが、患者さんのほとんどが指の痛みで受診するんだそうです。
また、変形が強くても痛みが全くない、変形が軽くても痛みが強いなど、人によって症状はさまざまだそうです。
Q.変形性指関節症はなぜ起こる?
変形性指関節症の原因はまだ分かっていないようです。
変形性指関節症を起こしやすい人
患者さんのほとんどが40代以上の女性であるため、女性ホルモンと何らかの関係があると考えられているようです。
- 40代以上の女性
- 長年の手仕事
- 突き指などのケガの後遺症
特に仕事や趣味で手をよく使う人は、指の痛みを感じ始めたら早めに受診することをおすすめします。
Q.変形性指関節症で特に気をつけた方が良い事は?
へバーデン結節の場合、指に水がたまり、粘液のう腫(水ぶくれ)ができる事があり、 これが大きくなり、化のうが収まらないと指を切断するケースもあるそうです。
ですので、水ぶくれが透けてきたら、早めに受診しましょう。
変形性指関節症の医療機関での対処法
変形性指関節症の医療機関での対処法
患部の関節を固定・手を使えるように
・テーピング:へバーデン結節が軽度の場合に自分で行います(救急絆創膏でも可)。
加減は、ゆるすぎず、きつすぎず、指が使いやすく痛みが治まる程度に巻きます。
・装具:母指CM関節症の場合は、医師に処方してもらう装具をつけます。
↓
指を動かす事で起こる痛みを抑えます。
指を固定し、さらに消炎鎮痛薬(湿布・塗り薬・飲み薬)で炎症と痛みを抑えます。
変形性指関節症が軽度の場合、固定や薬で痛みを抑える事が可能だそうです。
Q.痛みが抑えられない場合は?
手術:痛みが抑えられず、つらい場合に検討されます。
症状改善には3ヶ月以上かかる場合がありるそうです。
痛みは徐々に軽くなるため、仕事をしている人は手術せず経過を見る事も多いようです。
変形性指関節症の手術を行う場合
母指CM関節症の場合、手術となるケースが少なくありません。
その理由は進行すると痛みだけでなく、親指が使いづらくなるためです。
母指CM関節症の手術は、悪くなった骨を削って金属プレートで固定してしまいます。
または狭くなっている関節の下の骨の一部を取り除き、隙間を作り、隙間を保つインプラント(固定材料)を取り付けます。
へバーデン結節:
テーピングや装具で痛みが抑えられず、生活に支障がある場合は、手術を検討します。
その際、関節を固定する手術が行われます。
関節の固定により、ぐらつき・炎症が起こらなくなり、痛みがなくなります。
へバーデン結節の粘液のう腫の場合
関節の水ぶくれの原因である袋を取る手術などが行われます。
変形性指関節症の予防
●つまむ動作に注意⇒袋はハサミで開けるようにしましょう。
●指先で重いものを支えない⇒取っ手を作るなどして手の平でつかむようにしましょう。
*手の作業は1時間に10分ほど休むようにしましょう。
最後に
手の痛みやしびれが起こる場合に生活に支障がある場合は早めの受診がおすすめです。
この放送を見て母の指先が曲がっていたのを思い出しました。
病院に行ったかどうかは不明ですが、母はよく手編みをしていましたのでそれが原因かも知れません?
手を使う仕事や趣味がある方は、気をつけてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。