目次
名医が気になる最新トピック
トピック①毎日の入浴でうつ病予防!
教えてくれたのは東京都市大学 人間科学部 教授 学部長 医学博士の早坂信哉さんです。
毎日の入浴でうつ病のリスクが0.76倍に減少!
毎日湯船に入る人と週6回以下の人を比べたところ毎日湯船に入る人は将来うつ病になるリスクが0.76倍になる事がわかったそうです。
入浴による「自律神経のバランスが整う」「睡眠の改善」などが予防的に働いていると考えられるとのことでした。
さらに毎日入浴すると、将来要介護になるリスクが通常のリスクに比べて0.71倍に低下するというデータも出ているそうです。
入浴は肥満や糖尿病の予防・改善にも!
肥満や糖尿病の予防・改善の点からも入浴は有用だそうです。
入浴する事で消費カロリーを増やしたり、代謝を上げたりなど、運動と同様の効果が期待できるとのことでした。
また、冬場は厚着になるので自分の体型を把握しにくくなりますが、
入浴後に鏡を見る事で自分の体型を把握する事ができるためダイエットの動機付けとしても良いそうです。
40℃で10分程度の入浴がおススメ!
入浴をする際は、40℃で10分程度が目安です。
※健康目的によって多少の差異はあります。
それだと寒いという方は出る時間に向けて徐々に追い焚きをすると良いそうです。
ただしお湯の温度が42℃以上になると血圧が上がったり血栓ができやすくなったりするそうなので注意が必要とのことでした。
トピック②iPhoneを使った人工関節の最新手術
教えてくれたのは北里大学大学院 医療系研究科長 教授 整形外科医 医学博士の高平尚伸さんです。
患者さんの傷んだ股関節に人工の股関節を入れる人工関節置換術という手術があります。
手術をする際は医師が目視で角度を計りながら器具を挿入するのが主流です。
近年器具を挿入する位置をガイドしてくれる機器も誕生しましたが、とても数千万円と高価なのだそうです。
そんななかどの病院でも導入しやすいよう開発されたのがiPhoneを使った手術法です。
骨盤にQRコードが書かれたマーカーを取り付けて、iPhoneで読み込むと患者さんの骨盤の位置情報を記録します。
リアルタイムで骨盤の座標が表示されるので適切な位置に設置ができるとのことでした。
さらに今後はヒザや肩など他の関節の手術にも適用できるよう開発が進められているそうです。
トピック③バスルームが危ない!?急増する肺疾患
教えてくれたのは昭和大学 呼吸器 アレルギー内科 教授 医学博士の相良博典さんです。
急増する肺疾患「非結核性抗酸菌症」
この冬特に注意してほしい肺の病気が「非結核性抗酸菌症」。
非結核性抗酸菌症とは結核菌以外の抗酸菌が肺に感染して起こる病気で患者数が急増しているのとのことでした。
なかでも一番問題なのが土壌、水、ホコリなど自然環境に広く存在する「MAC」という菌です。
肺に感染すると咳や痰など様々な症状を引き起こし、放っておくと少し歩いただけでも呼吸困難に陥る事があるそうです。
バスルームに要注意!
肺疾患の原因菌「MAC」が多く潜んでいるのがバスルームだそうです。
特に注意すべき場所の1つがシャワーヘッドでぬめりの部分に菌が繁殖するそうです。
掃除をあまりしない場所に菌が繁殖する可能性が高いのとのことでした。
他にぬめりが発生しやすい排水溝なども注意が必要だそうです。
シャワーヘッドの掃除法
シャワーヘッドの掃除は、ぬるま湯に「クエン酸」や「お酢」を溶かして1~3時間ほど浸けます。
その後使い終わった歯ブラシなどで穴の部分をこすり洗いすると汚れが落ちやすくなるそうです。
年末の大掃除を機にシャワーヘッドも念入りに掃除しましょう。
トピック④花粉症重症化ゼロ作戦!
教えてくれたのは日本医科大学の耳鼻咽喉科学 教授 医学博士の大久保公裕さんです。
花粉症重症化ゼロ作戦とは?
花粉症の重症化を防ぐ国家プロジェクトが始動したそうです。
その名も「花粉症重症化ゼロ作戦」。
これは花粉症で重症化する人をなくそうというキャンペーンで花粉症の知識向上のために講演を行なったり、
ガイドラインを作り一般の医療機関にも高いレベルで診療を行ってもらったりするというものとのことでした。
スギの人工林伐採やスギ花粉米の開発も
今年10月、岸田内閣はスギの人工林の伐採や花粉が少ない苗木への植え替えなどを特定の地域で重点的に実施する対策を発表しました。
さらに花粉症の原因物質の一部を含む米を摂取する事で花粉の耐性の獲得を期待する「スギ花粉米」の開発なども進めているそうです。
「舌下免疫療法」の普及も
「舌下免疫療法」とはアレルゲンが配合された治療薬を舌の下に含み、毎日少しずつ免疫を作っていくという治療法です。
大久保公裕さんによると、このような治療薬の供給量も増やすなどして、全国どこでも誰もが効果的な治療を受けられるように配慮するのが今の目標となっているそうです。
2024年は全国で例年よりも花粉が多く飛ぶと予想されています。
マスクなどの対策もしっかりしたいですね。
トピック⑤5秒でわかる!骨粗しょう症検査
教えてくれたのは北里大学大学院 医療系研究科長 教授 整形外科医 医学博士の高平尚伸さんです。
AIの力で15分かかった検査がわずか5秒で完了!?
AIを使った骨粗しょう症の検査が導入され始めているそうです。
通常の骨粗しょう症検査の場合、検査時間は15分程度ですが、
専用の機器を使って手首、かかと、背骨などを調べていきます。
一方AIによる検査では検査時間はわずか5秒!?
肺の状態を見る胸部X線写真をAIが解析し、20代や同世代と比べた値で骨の状態を評価できるとのことでした。
しかも、健康診断で受けるX線撮影の時に同時に調べられるので医療費の削減にもつながるといいます。
AIが進歩していけば将来の骨の潰れやすさや骨折のしやすさが予測できる可能性もあるそうです。
骨粗しょう症の予防法
骨粗しょう症を予防するには、下記の3つのポイントを心がけると共に、
骨粗しょう症の検査を受ける事が大事だそうです。
1)ジョギングなど骨に刺激のある運動を行います。
2)カルシウムやビタミンDを豊富に含む食材を摂取します。
3)適度に紫外線を浴びます。
医療の世界でAIが活躍中!
大腸の内視鏡検査でもAIが使用されているそうです。
小さな病変にAIがマークをしてくれるので診断の精度が上がっているとのことでした。
さらに糖尿病の分野でもAIに注目。
糖尿病の投薬治療はとても複雑で患者さん1人1人に合わせて薬を選んでいかなくてはならないそうですが、
検査結果などのデータを入力する事で最適な薬を選んでくれるといった活躍が今後期待されているそうです。
トピック⑥患者1人1人に合わせたオーダーメイド治療
教えてくれたのは東京都立多摩北部医療センター 消化器内科 副院長の小泉浩一さんです。
がんの原因をズバリ特定!将来患うがんの種類も分かる!?
小泉浩一さんによると、がんの原因は遺伝子の傷だそうです。
最新の「がんゲノム医療」では患者さんのがん組織や血液を用いてどの遺伝子が異常なのかを特定し、
異常のある遺伝子をターゲットに患者さん1人1人に合わせた治療を行えるようになったのとのことでした。
現在一部の遺伝子異常に関しては、非常によく効く薬もできているそうです。
人の遺伝子は2~3万種類あると言われます。
その中で、がんに関連する遺伝子は数百種類。
さらにその中から将来悪性度が高くなりやすい遺伝子や、治療の効果が期待できる遺伝子も調べられるようになったそうです。
若いうちにがんを患う人の一部は遺伝性の遺伝子異常が見られる場合があるので遺伝子検査を行う事でがんの予防に役立てる事も期待できるとのことでした。
遺伝子治療で脂肪肝を予防!?
脂肪肝になりやすい人は遺伝子レベルで決定しているとも言われているそうです。
近年、脂肪肝に加速度的になる遺伝子を抑えたり、
遺伝子の活性化で脂肪肝を予防したりする遺伝子治療の治験が世界的な規模で進んでいるそうです。
まとめ
参考になれば幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。