きょうの健康4月4日は、2人に1人がなるといわれるがん。
長年日本人の死因第1位となる状況が続いています。
ここで今回のテーマは、賢く受けよう!がん検診でしたが、がん検診は、どこで受ければいい?どんな検査がある?何歳から?オプションは?いつまで受ける?便潜血検査ってどうやるの?など分からないことがたくさんありますよね。
そんな素朴な疑問をがん研究に携わって25年、国立がん研究センター部長 中山富雄先生が本音で分かりやすく解説してくれました。
また、がん検診のメリットもデメリットも解説してくれました。
健康診断についての記事は、下記から
⇒ 健康カプセル!ゲンキの時間4月7日賢い健康診断マニュアル!
司会は、黒沢保裕さんと岩田まこ都さんのお2人です。
目次
がん検診
●死亡数・罹患(りかん)数ワースト3!胃がん・肺がん・大腸がん検診
がんには様々な種類がありますが、厚生労働省では、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんの5つのがんに対して定期的にがん検診を受けることを推奨しています。
胃がん検診
厚生労働省は、2016年にがん検診の指針を一部改正しました。
その中で一番大きく変わったのが、胃がん検診です。
改正後 | 改正前 | |
---|---|---|
対象者 | 50歳以上 | 40歳以上 |
受診間隔 | 2年に1回 | 1年に1回 |
検査項目 | 問診 胃部X線検査 または胃内視鏡検査 |
問診 胃部X線検査 |
胃がん検診:受診者は、胃部X線検査または胃内視鏡検査のどちらか一方を選択できるようになりました。
*自治体によっては、導入されていないところもありますので、
胃がん検診に胃内視鏡検査が導入されているかは、市町村の保健センターで確認が必要です。
Q.胃がん検診の改正の理由は?
中山富雄先生「若い人を中心に胃がんがかなり減っている」
Q.5つのがん検診が推進されている理由は?
中山富雄先生「罹患率や死亡率が高いことと、集団の死亡率を下げる効果が科学的に証明されている」
40代胃がん罹患率(人口10万人あたり):
・1975年=120人弱(40~44歳約40人)
・2014年=40人弱(40~44歳20人弱)40年間で、1/3に減少
Q.胃がん減少の背景:
中山富雄先生「胃がんの原因と考えられている細菌、ヘリコバクター・ピロリの感染者が減少しているため、受診対象者の年齢を上げて受診間隔を延ばすということができてきたという判断ができます」
肺がん検診・大腸がん検診
肺がん検診 | 大腸がん検診 | |
対象者 | 40歳以上 | |
受診間隔 | 1年に1回 | |
検査項目 | 問診 胸部X線検査 喀痰(かくたん)細胞診 |
問診 便潜血検査 |
Q.肺がん検診、喀痰細胞診の対象は?
中山富雄先生
50歳以上、喫煙指数600以上⇒肺がんのハイリスク群
喫煙指数:喫煙本数/1日×喫煙年数=喫煙指数
例:20本/1日×30年=喫煙指数600
Q.大腸がん検診便潜血検査正しい便の採り方は?(NHKに多く届いた質問)
A.
1.便が沈まないようトイレの中に採便用のシートを敷く
2.採便容器(採便容器内の薬液を捨てない!)のスティックで便の表面をまんべんなくこする
*便の表面に血液があるかないかを調べますので、、表面だけでOKです。
採る量は、スティック先端の溝が埋まる程度の量でOKです。
ポイント:あまり採りすぎない
採便後は、涼しい場所で容器を保管します。
中山富雄先生「夏場は、冷蔵庫が望ましいとなっていますが、抵抗がありますよね。ですから、保冷剤と一緒にクーラーボックスか発泡スチロールに保管してください」
*2回採取した便のうち、1回でも陽性と判定されたら、必ず精密検査を受診してください。
・採便用のシート⇒ 団塊世代の奮闘記 採便容器⇒ 亀岡市立病院
女性を守る!乳がん・子宮頸がん検診
・乳がんも子宮頸がんも、早期に発見されれば、今では、ほとんどの方が治るといわれています。
子宮頸がんの場合は、妊娠出産も可能です。
自分の健康を守るためにも、きちんと検診を受けましょう。
乳がん検診 | 子宮頸がん検診 | |
---|---|---|
対象者 | 40歳以上 | 20歳以上 |
受診間隔 | 2年に1回 | |
検査項目 | 問診 乳房X線検査 (マンモグラフィー) |
問診 視診 子宮頸部の細胞診・内診 |
Q.子宮体がんの検診は?
中山富雄先生「子宮の奥にできる体がんは、今、50歳以上の女性にかなり増えています。子宮の奥から細胞を採るのですが、痛みが出たり、出血したり、感染することもあります。それから検診としての効果がまだよく分かっていないということで、国が推奨するがん検診には、含まれておりません」
子宮体がん:閉経後、不正性器出血がある場合は、早めに産婦人科を受診することが大切です。
教えて!がん検診、ホントのトコロ
Q.がん検診はどこで受ける?
中山富雄先生「国が定めたがん検診は、住民票登録がある市区町村で受けることができます」
「職場によっては、健康診断に併せてがん検診を受けることができるところもありますが、でない場合は、自治体のがん検診を受けることができます」
Q.自治体からがん検診の案内が送られてくる?
中山富雄先生「案内を郵送している自治体もありますが、自分でホームページや広報誌を見て情報を集めなければならないところもあります」
*自治体の窓口を調べるには、
⇒ 日本医師会「知っておきたい、がん検診」
Q.前立腺がんなど ほかのがん検診は?
中山富雄先生「精密検査を受けると、検査に伴う合併症や放射線被ばくなどのリスクも生じる。
検診は、たくさん受ければ受けるほど良いという事ではありません。がんが本当に早期に見つかるなど、
検診のメリットが自分にとってデメリットを上回るのか、年齢やがんの性質などと照らし合わせて判断してから受けた方が良いと思います」
Q.がん検診を卒業するとは?
中山富雄先生「がんが死因の半数を占めるのは、70歳前半までで、それ以降どんどん減っています。
逆に心臓疾患や肺炎、脳卒中、老衰など他の原因で亡くなられる割合が増えてきます。
「がん以外の死因が増えてくる70代後半~80代になったら、がんだけに目を向けることを卒業して、自分が心配なのは何かと言うことをよく考えるのが良いかなと思います」
まとめ
●がん検診
・がんには様々な種類がありますが、厚生労働省では、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんの5つのがんに対して定期的にがん検診を受けることを推奨しています。
・5つのがん検診が推進されている理由
罹患率や死亡率が高いことと、集団の死亡率を下げる効果が科学的に証明されている
・肺がん検診、喀痰細胞診の対象は?
50歳以上、喫煙指数600以上⇒肺がんのハイリスク群
喫煙指数:喫煙本数/1日×喫煙年数=喫煙指数
・大腸がん検診便潜血検査正しい便の採り方は?
1.便が沈まないようトイレの中に採便用のシートを敷く
2.採便容器(採便容器内の薬液を捨てない!)のスティックで便の表面をまんべんなくこする
●女性を守る!乳がん・子宮頸がん検診
・乳がんも子宮頸がんも、早期に発見されれば、今では、ほとんどの方が治るといわれています。
・子宮頸がんの場合は、妊娠出産も可能です。
●教えて!がん検診、ホントのトコロ
Q.がん検診はどこで受ける?
国が定めたがん検診は、住民票登録がある市区町村で受けることができます。
がん検診を卒業するとは?
70代後半からは、がんだけに目を向けるのを卒業する
最後までありがとうございました。