チョイス【血圧を下げる】インターバル速歩のやり方!DASH食とは?

チョイス@病気になったとき 高血圧 

チョイス@病気になったとき2020年1月10日放送で、「血圧の疑問に答えます」について紹介されました。
日本人の3人に1人は高血圧だと言われています。高血圧を放っておくと大病を引き起こすとこもあるのです。
薬をちゃんと飲んでいるから大丈夫と思っている人もご注意。十分に血圧が下がっていなかったり、 逆に血圧を下げすぎていることも、それでも大丈夫!今回は「運動」や「食事」で血圧を下げるためのチョイスや 正しい薬の飲み方についても紹介してくれました。
教えてくれたのは、東京都健康長寿医療センター顧問 循環器内科 桑島巌先生及び帝京大学福岡医療技術学部教授 河野雄平先生です。

血圧の疑問に答えます

講師:東京都健康長寿医療センター顧問 循環器内科 桑島巌先生及び帝京大学福岡医療技術学部教授 河野雄平先生
司会:八嶋智人さん・大和田美帆さん

Q.なぜ血圧が高いといけない?
桑島巌先生によると、血管に圧がかかかり続けると、血管が傷む⇒壁が厚くなる⇒破れる・詰まる

高血圧の基準(診察室での測定):上140mmHg以上/下90mmHg以上
降圧目標(75歳未満の成人):上130mmHg未満/下80mmHg未満

桑島巌先生によると、家庭で血圧を測り、普段の状態を知ることが大事とのことでした。

家庭血圧の正しい測り方

1.薄手なら腕まくりはせず、服の上からカフを装着します。
*腕まくりをすると、腕を締め付けて正確な数値が出にくくなります。
2.チューブは腕の上、指が1~2本入る程度にカフを装着します。
3.カフは腕の関節が動かせるようにひじの内側のくぼみから指1本分ほど上に巻きます。
4.タオルなどを使って、腕のカフを巻いた部分と、心臓の高さを合わせます。
5.腕をまっすぐ伸ばし、手の平を上に向け、力を抜きます。
*測定中は話をしないでください。↓
*1~2分間、安静にした後に測定します。

家庭血圧測定のポイント

測定は朝と夜に測るのがおすすめです。

・朝:起きてすぐではなく、トイレの後、服薬・食事の前に測ります。⇒目安は起きてから1時間以内です。
・夜:服薬・食事・飲酒、入浴の前に測ります。
朝とよるそれぞれ2回ずつ測り、2回目を記録します。
*2回目の方が血圧が安定するそうです。

記録はまず、2週間続けてみましょう。
家庭で測ると、一般的に診察室で測るよりも血圧は低くなります。
朝または夜の平均が135/85を上下のどちらかが超える場合、高血圧が疑われます。⇒循環器内科を受診しましょう。

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Q.高血圧の治療は?

・重症の場合:生活習慣の改善+降圧薬などの使用
・軽症の場合:まずは生活習慣の改善(1~3ヶ月)

生活習慣の改善とは?どんなことを取り組む?

血圧を下げる生活習慣改善のポイント

運動

・荒井萬喜子さん(66)の体験
4年ほど前に検診で高血圧であることが分かりました。
上が150、低いときでも130程度が続いていたそうです。
親御さんも高血圧で余計気になっていたそうです。
そんな荒井さんのチョイスは?
長野県松本市が始めた健康増進プログラムがあることを知り、参加することに。
それは「インターバル速歩」です。

インターバル速歩のやり方

1.ややきつめの速歩きを3分。
2.ゆっくり歩きを3分。
これを交互に30分間続けます。

インターバル速歩を考案した信州大学大学院 総合医理工学研究科 特任教授 能勢博先生によると、
速歩きを続けるのは辛くてできませんが、ゆっくり歩きを挟むことで速歩きを何度も繰り返せることがポイントと能勢博先生はいいます。

チョイス@病気になったとき 高血圧

▼血圧を下げる効果(松本市民が参加した研究/5ヶ月間)
・ウォーキング(1日平均9500歩)⇒-3mmHg(上の血圧)
・インターバル速歩(1日平均50分)⇒-9mmHg(上の血圧)
能勢博先生によると、効率的に血圧を下げるためにはインターバル速歩がおすすめだそうです。
こういう運動は、歩けさえすれば誰でもできる運動といいます。
荒井さんはインターバル速歩を半年間続けたところ、上が150⇒132とほぼ正常値に!
4年経った現在も薬など飲まずに120~130台をキープしているそうです。

◆インターバル速歩のポイント
速歩き3分⇔ゆっくり歩き3分:1日30分を週4日以上
1.視線は前に向け、背筋を伸ばします。
2.腕を直角に曲げ、大きくふり、足は大股にしてかかとから着地するようにして歩きます。

排塩

排塩=塩分を排出すること。水分を摂る?
桑島巌先生によると、高血圧の人が水の飲み過ぎは血管に負担がかかるそうです。

体の中から塩分を出すには?
・今野弘さん(56)の体験
今野さんの趣味は登山で週に1度は山に登り、日頃からウォーキングも欠かしません。
なので、健康には自信があったそうですがしかし、健康診断で5年前高血圧と診断されてしまったそうです。
同年代の人に比べると、運動しているのになぜ高血圧なのかと思っていたそうです。
運動以外の対策が必要になった今野さんは、食生活を改善することに。
そんな今野さんにいすゞ病院 内科医 小井手裕一先生がすすめたのは「DASH食」でした。
DASH食:高血圧予防のための食事法。
小井手裕一先生によると、NIH(米国国立衛生研究所)が行った研究に基づく食事療法だそうで、 塩分を制限するのと同程度の効果が報告されたそうです。
「食べてはいけない」ではなく、「これを食べたらどうか」というのがDASH食だそうです。
DASH食ですすめているのが、野菜・魚・乳製品・大豆製品・果物などを積極的に食べる事。
これらの食品には、カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維などが豊富に含まれているからです。
でもこれらの栄養素が予防になるのでしょうか?
これらの栄養素は、高血圧の大敵、塩分の排出を促す効果が期待できるからです。
さらに複数の栄養素を同時に摂取することでこの効果は高まると考えられるそうです。
今野さんは、DASH食を意識して、食品を選ぶようにしました。
・朝食:魚卵入りおにぎり2個⇒梅干しのおにぎり1個に減らし、
さらにバナナ(食物繊維・カリウム)、ヨーグルト(カルシウム)、野菜サラダ(食物繊維・カリウム)も食べているそうです。
・昼食:ラーメン(スープも飲み干す)⇒塩分少なめ+野菜が入った定食に。
・夕食:味付けの濃い総菜や焼き鳥、刺身(しょうゆたっぷり)
⇒刺身、野菜たっぷり、豆腐が入った鶏鍋、オニオンサラダ・ミックスサラダなど野菜中心に。

このDASH食生活を取り組んで1年その結果は、上が120台になり、食生活の改善だけで、血圧が正常値に!
さらに体重も6kg落ちたそうです。

●血圧を下げる効果(米国の研究機関/上の血圧)
・有酸素運動:約-4
・減量:約-4
・減塩:約-4.5
・DASH食:約-6

血圧を下げる薬

・中村桂子さん(65)の体験
約30年間小学校や学童保育で働いていた中村さんは40代から血圧が高めと指摘されていましたが、 体調には問題がなかったため、特に対策は取らなかったそうです。
ですが、50代になると、医師から薬による治療をすすめられたそうです。
しかし、中村さんは副作用が心配で薬を飲むことを拒否していたそうです。
その間にも血圧は年齢と共に上昇し、60歳になると、上が178/下が100と正常値をはるかに超える数値になっていました。
さすがに心配になった中村さんは3年前、循環器内科病院で診てもらうことにしたそうです。
中村さんを診察した帝京大学福岡医療技術学部教授 河野雄平先生も薬での治療をすすめたそうです。
中村さんのチョイスは、降圧薬(カルシウム拮抗薬)でした。
血管を形作る筋肉は、カルシウムイオンなどが作用すると、収縮し、結果血圧が上がります。
カルシウム拮抗薬はそのカルシウムイオンの働きを抑え、血管の収縮を押さえることで血圧を下げます。
しかし中村さんはカルシウム拮抗薬では十分に血圧が下がりませんでした。
なので、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)もプラスすることになりました。
それにより、中村さんの血圧は上が170台⇒140台、下が100台⇒80台に下がったそうです。
しかし、下がり方が十分ではなかったため、さらに別の薬も試してみることになりました。
カルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は血管の収縮を押さえて血圧を下げる薬でした。
しかし、高血圧には別の原因もあります。
それは、血液中の塩分や水分が多すぎることです。
そこで使われるのが、利尿薬で水分や塩分を排出して血圧を下げるのです。
そこで中村さんは、カルシウム拮抗薬+ARB+利尿薬も飲むことになりました。
すると、2週間後、上が120台、下が70台と正常値まで下がったそうです。
そして、中村さんは、薬を飲まずに血圧が下がることはありえないと思い始めたそうです。

河野雄平先生によると、カルシウム拮抗薬は日本で一番よく使われている薬で、
・効果が高く、副作用が少ない
・長時間効果が続く

血圧を上げる要因は、大きく分けると、以下の2つがあります。
・血管収縮型:過剰なホルモンなどにより、血管が収縮するタイプです。
⇒使われる薬=カルシウム拮抗薬・ARBとACE阻害薬もあるそうです。
・血液増加型:塩分や水分の摂りすぎによって血液量が増加するタイプです。
⇒使われる薬=利尿薬(減塩と同じ効果)

薬を増やすのは河野雄平先生によると、薬を組み合わせた方が、降圧効果が大きく副作用が少ないと言うことでした。
ACE阻害薬は、空せきなどの副作用がでることもあるそうです。ARBには副作用はほとんどないそうです。

Q.薬は一生飲み続けなければならない?
河野雄平先生によると、生活習慣改善(減塩・減量・運動など)で休薬・中止ができることもあるそうです。
また、季節(夏場は血圧が下がる)によって薬を減らせる場合も⇒自分勝手にやめるるのではなく、医師と相談の上に。
注意:心臓病や腎臓病などの合併症がある場合は血圧が下がっても降圧薬は続けます。

降圧薬で副作用?

・高山さん(74)の体験
20年ほど前に高血圧と診断された高山さんはカルシウム拮抗薬とARBを飲み続けて血圧をコントロールしてきました。
ところが2年前、血液検査で腎機能が低下していると言われたそうです。
医師は、腎機能を保護するために利尿薬を追加しました。
しかし、3ヶ月が高山さんの体に異変が起きたのです。
道路のガードレールや白線など白い物を見るとすごくまぶしい、立ち上がったときなどに立ちくらみの症状が出たそうです。
心配になった高山さんは久し振りに自分で血圧を測ってみると、上が100を切っていたそうです。
何度も測り直しても結果は同じで100を切っていたそうで、不思議に思った高山さんは別の病院で診てもらうことにしました。
診察したやわらぎクリニック 院長 北和也先生によると、過降圧の状態に陥っていたそうです。
薬が効きすぎていた!?
その人にとって適切な血圧値からさらに下がってしまい、血圧が低すぎるためにうらつきやめまいが生じ場合によっては転倒してしまうこともあるそうです。
高山さんは受信後、毎日3回自宅で1週間血圧測定しましたが、平均でも上の血圧が100程度と低かったため医師を訪ねてあるチョイスをしたのです。
それは、利尿薬を少しずつ減らすことに、すると立ちくらみはなくなり血圧も落ち着き、体調良く過ごせているそうです。
チョイスしてから2ヶ月後、血圧が正常値に戻り、腎機能も回復したそうです。
現在では、カルシウム拮抗薬をやめ、ARBのみで血圧をコントロールしているそうです。
家庭で血圧測定・記録をして医師に相談することが大事だと実感したそうです。

河野雄平先生によると、降圧薬で薬の種類・量を変更した後、体調に変化があったら家庭血圧を測ってすぐに医師に相談した方が良いとのことでした。

降圧目標(75歳以上の高齢者場合):上140未満/下90未満

合併症有無など個人差がありますが、特に高齢者の場合、上130未満にまで下げると、過降圧によるめまい・ふらつきが出る場合もあるそうです。

●降圧薬の副作用
・カルシウム拮抗薬:ほてり・むくみ・動悸など
・ARB:血液中のカリウム上昇など
・ACE阻害薬:空せきなど
・利尿薬:尿酸値上昇・カリウム低下など
以上ですが、河野雄平先生によると、実例はほとんどないとのことでした。
なので、怖がる必要もなく、むしろ飲まないことの方が怖いとのことでした。
降圧薬はゆっくり長く効くので朝に飲む事が多いそうです。
飲むタイミングは効果の持続時間や血圧が高くなる時間帯に合わせて決めるそうです。

ポリファーマシー(多剤服用)
多くの種類の薬を服用することで、めまい・ふらつきなどの副作用が生じることがあるそうなので、 できるだけ減らすことが望ましいそうです。

最後に

降圧薬は脳卒中や心臓病のリスクを下げる事が分かっているそうです。
それに加え、生活習慣の改善も行いましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。