2019年10月9日放送のきょうの健康はトコトン点検!目の健康というテーマで今回は、「放置は危険!結膜炎」が紹介されました。
「結膜炎」よく聞く病気ですが、実はこの症状や原因は様々。目のかゆみ、目が充血する、目やにがひどい、 ある季節になると、症状が出るという場合もありますが、慢性化して症状が長引く結膜炎もあるのです。
今回は結膜炎の治療や予防について教えてくれました。
結膜炎について教えてくださったのは、東京女子医科大学眼科 教授 高村悦子先生です。
目次
放置は危険!結膜炎
講師:東京女子医科大学眼科 教授 高村悦子先生(専門は角結膜感染症・ドライアイ・アレルギー性疾患)
患者さんの目に輝く瞳をが診療のモットーです。
キャスター:黒沢保裕さん・岩田まこ都さん
結膜炎は、目の結膜と呼ばれる部分が炎症を起こす病気です。
結膜はまぶたの裏側、白目の表面を覆う部分です。
結膜からは常に粘液が分泌され、涙とともに目の表面を潤し、さまざまなトラブルから目を守る働きをしています。
Q.結膜に炎症が起こるのはなぜ?
結膜は、外の世界と接している粘膜のため、ウイルスや細菌、異物などが侵入してそれと戦う状態が炎症です。
放置は危険!結膜炎今回のポイント
【 結膜炎】原因はさまざま
原因は、大きく分けて「感染」と「非感染」の2つです。
●結膜炎の原因
▼感染
◆ウイルス性
・アデノウイルス*
・エンテロウイルス
・単純ヘルペスなど
◆細菌性
・インフルエンザ菌
・肺炎球菌
・黄色ブドウ球菌など
*アデノウイルス:人から人へ簡単に伝染する大変感染力が強く特に注意が必要です。
*アデノウイルスによる結膜炎
・流行性角結膜炎(はやり目)
症状:結膜の充血、目やに、まぶたの腫れ、かゆみはない
咽頭結膜炎(プール熱)
症状:結膜の充血、目やに、のどが腫れる、39度前後の発熱
▼非感染
非感染は、主にアレルギー反応などによって起こるアレルギー性結膜炎で患者数が約6000万人ともいわれています。
代表的なものは花粉、ダニ、ハウスダスト、ペットなどによるいわゆる「花粉症」です。
花粉症=アレルギー性結膜の代表
アレルギー性結膜炎には重症化する「春季カタル」というものがあります。
●春季カタル(アレルギー性結膜炎)
- 学童期の男児に多く発症
- 強い炎症
- 異物感
春季と言われていますが、花粉だけでなく、ハウスダスト、ペットなどのアレルギーも関係しており、 1年中症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返す病気です。
重症化すると、痛くて目が開けない、場合によっては視力に支障が出て学童に多いので学校に行けないということも。
ただ、最近良い薬が出てきたので、早めに気がついて眼科を受診し継続すれば、あまり重症化せずにコントロールできるようになってきたそうです。
【結膜炎】治療は原因に応じて
結膜炎の治療は、基本は目薬による治療で、感染か非感染かによって治療薬が違い、れぞれの原因に対処するための目薬になります。
●ウイルス性結膜炎の治療
特効薬はなく、抗炎症薬・抗菌薬などの点眼が行われます。
◆注意すること
感染を広げないようにすることが大切ですので、児童の登校には医師の許可が必要です。
●細菌性髄膜炎の治療
抗菌薬の点眼を行います。
点眼回数を守って治療すれば、3日から1週間程度で良くなることが多いそうです。
Q.非感染アレルギー性結膜炎の治療法は?
抗アレルギー点眼薬が効果的です。
●抗アレルギー点眼薬
・メディエーター遊離抑制薬:ヒスタミンの放出を抑制
アレルギー反応では、ヒスタミンという物質が炎症を引き起こします。
・ヒスタミンH1受容体拮抗(きっこう)薬:ヒスタミンの働きをブロック
受容体をブロックすることでヒスタミンの作用(充血やかゆみ)を抑えます。
◆花粉症の初期療法
花粉が本格的に飛ぶ前から抗アレルギー点眼薬を使用すると、ピーク時の症状を和らげることができるのでおすすめです。
●春季カタルの治療法
抗アレルギー点眼薬
ステロイド点眼薬
免疫抑制点眼薬
シクロスポリン・タクロリムス:点眼薬のなかでは比較的新しい薬です。
【結膜炎治療】 点眼薬の正しい使い方
- 手をよく洗う(清潔な状態で点眼容器を扱う)
- 下まぶたを指で軽く引く(眼球と下まぶたの間に落とします=黒目の真上に落とさなくてもOK)
- 点眼容器を目に近づけない(汚染させないため、まぶたやまつ毛にふれないようにします)
- 点眼後はしばらく目を閉じる(まばたきをすると、薬が外へ流れ出てしまいます)
※薬があふれたら必ず拭き取りましょう(かぶれ・ただれなど皮膚炎の予防)。
目薬は一滴で効果がありますので、用法用量を守って使用しましょう。
結膜炎から目を守る
結膜炎は手を介して感染することが多いので、手を洗うことが大切です。
●拡散しないための対策(感染性結膜炎になったら)
- 家族とタオルを分ける
- お風呂は最後に
- アルコール消毒をする
- 学校へ行かない(医師の指示に従う)
- 職場にできるだけ行かない
●アレルギー性結膜炎の対策
- 花粉の侵入を防ぐ:メガネやマスクなど
- 室内を清潔に:ダニやカビ、ホコリなどの発生を防ぐ
- 点眼薬による洗顔:防腐剤の入っていない市販の目薬
最後に
結膜炎になったら、眼科で診断を受け、適切な治療を受けましょう。
私も昔発症したことがあるのですが、「タオルは共有しないで」と
言われたのでたぶんウイルス性の結膜炎だったと思いますが、
医師からの指示通り治療したら数日で治ったという記憶があります。
ウイルス性の結膜炎は感染拡大防止を!
【きょうの健康】目薬の上手なさし方げんこつ法のやり方を谷戸正樹先生が紹介!
最後までお読みいただきありがとうございました。