2019年8月28日放送のきょうの健康の特集は、糖尿病 一人一人の対策。今回は「血糖値 どこまで下げる?」について紹介されました。
糖尿病の目的は血糖値を下げること、ただし、どこまで下げるのかは年齢や病状に応じて変わります。
下げすぎると危険な低血糖を起こす恐れもあるんです。
そんな方でも今すぐ始められるおすすめの方法を紹介してくれました。
教えてくださったのは、京都大学大学院 教授 稲垣暢也先生です。
高血糖にも低血糖に注意とアドバイスをされています。
講師:京都大学大学院 教授 稲垣暢也先生 専門は糖尿病
キャスター:黒沢保裕さん・岩田まこ都さん
目次
血糖値 どこまで下げる?
血糖値の血糖の状態を表すHbA1c(ヘモグロビン エーワンシー):
7.0%未満に保つのが基本になります。
6.0%・8.0%未満を目標にする場合もあります。
Q.人によって目標値が違うのはなぜ?
糖尿病治療の目的は、目・腎臓・神経の合併症を防ぐためありますが、
- 理想的な数値がHbA1c7.0%未満
- 低血糖などで治療強化が難しい場合は、HbA1c8.0%未満
- 食事や運動だけで下げられる場合などは、HbA1c6.0%未満
それぞれ患者さんの状態によって異なるそうです。
血糖値 どこまで下げる?今回のポイント
血糖値は刻々変わる
私たち血糖値は1日中変動しています。
正常な人では朝食前や睡眠中は低い状態です。
食事を摂ると上がりますが、インスリンが分泌され、まもなく下がります。
血糖値は70から140mg/dL程度で維持されています。
初期の糖尿病の人は食後の血糖値が正常な人に比べて大きく上がり、すぐには下がりません。
進行した糖尿病の人は食後の血糖値が一層大きく上がってしまいます。
しかも朝食前も非常に高くなっています。
Q.「HbA1c」との違いは?
HbA1c⇒ 過去1~2ヶ月の血糖値の平均を反映した数値のため、1日のうちの変動は分かりません。
血糖値の変動は、1日に数回各自で血糖値を測定する「血糖自己測定」で、ある程度わかります。
指先からわずかな血液を採り、それをシンプルな医療機器で調べる方法です。
血糖自己測定は、インスリンで治療している人などは毎日行っています。
危険な低血糖
低血糖とは:糖尿病の薬が効きすぎ⇒血糖値が低くなりすぎる
●低血糖の主な症状(下に示す症状ほど血糖値が低くなります)
- 冷や汗・動悸・手足の震え・異常な空腹感・だるさなど
- 眠気・強い脱力・めまい・強い疲労感・集中力の低下・目がかすむなど
- 意識もうろう・昏睡・けいれんなど
Q.どんな薬でも低血糖を起こす?
●インスリン製剤⇒低血糖を起こしやすい
●インスリンの分泌を増やす薬
- スルホニル尿素薬
- グリニド薬
- DPP-4阻害薬
- GLP-1受容体作動薬
●インスリンの効きを良くする薬
- 糖の吸収を遅らせる薬
- 排泄を促す薬
*糖尿病の薬を使っていなければ低血糖のリスクはまずありません。
患者さんの症状などによって薬が変わってきます。
低血糖が怒りやすいのは・・・
- 食事を抜いたとき・食事の量が少なかったとき
- 体を激しく動かしたとき
- 体調が悪い日
*体調が悪く食事が摂れない場合は、事前に薬をどう使うか主治医に相談しておきます。
※高齢者は低血糖に気付きにくく重症化しやすいので、特に注意が必要です。
重症低血糖を起こす人(2型糖尿病)
平均年齢77歳 糖尿病歴平均20年と比較的高齢で病歴が長い人が重症低血糖を起こしやすいというデータがあるそうです。
●重症低血糖のリスク(主に高齢者)
- 転倒・骨折⇒寝たきり
- 認知症(重症低血糖3回起こすとリスク2倍)
- 脳梗塞・心筋梗塞
血糖値を24時間モニター
最近では、血糖値を24時間自動的に記録する新型の医療機器が登場しているそうです。
- 1型糖尿病は保険適用
- 2型糖尿病は条件により保険適用
体液のブドウ糖濃度を測定し、血糖値に換算しているそうです。
血糖値を24時間モニターの医療機器などの詳細はこちら
最後に
血糖値の目標は、HbA1cを設定するようですが、年齢や症状によって血糖値の目標が変わってくるようですね。
糖尿病になると、インスリンの自己注射など食事など大変みたいですから、気をつけたいですね。
こちらを読んでいただき⇒ 【きょうの健康】糖尿病対策!今すぐ始めたい生活習慣改善
糖尿病にならないような生活を心がけてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。