【チョイス】むくみ対策むくみ予防ストレッチのやり方!

チョイス@病気になったとき むくみ 予防

2019年6月29日放送のEテレチョイス@病気になったときは、長時間座ったままでいると起こるのが辛い脚のむくみ。
その嫌な感じ経験ありますよね?そのむくみ実は病気のサインかも!?しかもむくのは脚だけでとは限りません。命に関わる恐ろしいむくみも!

むくみ徹底対策

むくみは病気のサイン!?

笹原さん女性(49) のケース
足首から全体にむくみがあり、むくみには痛みも伴い立ち上がると激痛もあったそうです。
そして寝ている時はこむら返りにほぼ毎日襲われたそうです。
実は笹原さんには30代の頃から脚に下肢静脈瘤があったそうで、その痛みだと思っていたそうでした。
そして痛みに耐えきれなくなり、東邦大学医療センター大森病院を受診。
CT検査により、右脚の静脈に血栓が見つかったそうです。
同病院 総合診療 急病センター 教授 佐々木陽典先生の診断は、「深部静脈血栓症」
深部静脈血栓症:
長時間動かないで同じ姿勢を続けていると、脚の血管に血のかたまりができる病気。
長時間立っていることが多かったという笠原さんですが、なぜ血栓ができてしまったのでしょうか?
血液は動脈を通って全身に送り出され、その後静脈を通って戻ってきます。
心臓より上にある静脈は重力によって自然に心臓に戻りますが、
脚の静脈の血液は重力に逆らって戻らなければなりません。
その助けになるのが歩く時などのふくらはぎなど筋肉の収縮です。
しかし、長時間同じ姿勢のままでいて脚を動かさないでいると血液を押し戻すことができず、血液がたまり血栓ができやすくなるのです。
血栓ができると、血液の流れがさらに悪くなり、水分が血管の外へしみ出して脚がむくみます。それが深部静脈血栓症です。
血栓をそのまま放置すると、立ち上がった時に血栓が静脈伝って肺にまで達することがあります。
すると呼吸困難に陥り、命に関わるリスクがあるんです。いわゆるエコノミークラス症候群です。
そんな大事に至る前に血栓を発見できた笠原さんはあるチョイスをしました。
抗凝固薬を3ヶ月間飲み続けたのです。
その結果血栓は消え、右脚のむくみもなくなっていきました。

Q.そもそもむくみとは何?
教えてくださったのは、東邦大学医療センター大森病院 総合診療 急病センター 助教 佐々木陽典先生です。
むくみ:体に余計な水分がたまっている状態

日常的なむくみの原因

1.長時間同じ姿勢
2.塩分の摂り過ぎ
*お酒を飲むとむくむ理由:塩分豊富なおつまみが原因
3.炭水化物の摂り過ぎ
*炭水化物を摂り過ぎるとむくむ理由:インスリンの作用で腎臓から塩分の吸収が促されるため
4.女性
*女性がむくみやすい理由:
・筋肉量が少ない
・女性ホルモンのバランスの変化
5.運動不足
脚の血流を良くするには運動が良く、筋肉の動きのポンプ作用で脚の血液が戻ってきます。
Q.立ち仕事が多いと血栓ができやすい?
血栓ができる原因
1.血液の流れが悪い
・長時間座りっぱなし
・寝たきり
・運動不足など
2.血液が固まりやい体質
・遺伝
・妊娠
・経口避妊薬
・副腎皮質ステロイドの服用など
3.血管が傷ついている
・けが
・骨折
・手術
・カテーテル検査など
長時間狭い場所で座りっぱなし⇒血栓ができる⇒急に立ち上がる⇒血栓が一気に肺に到達
ひざより上でできた血栓⇒大きいので注意が必要

エコノミークラス症候群に注意

飛行機での移動以外にもエコノミークラス症候群に気をつけなければならないケースがあります。
・長距離バス
・長時間の運転
・車中泊
・避難所生活

血栓の予防

・アルコールを控えて水分を摂る
・足を組まない(血がせき止められる)
・1~2時間ごとに立ち上がって歩く
・座ったまま脚を動かす
・ゆったりした服装
・ひざ丈ストッキングを着用(着圧)

違うタイプのむくみとは?

富樫さん男性(74) のケース
むくみは脚だけでなく、体全体がむくんでいたそうです。
症状は、
・脚が重い
・体がだるい
・汗をすごくかく
ちょっとしたことで疲れ、歩くのもままならない状態だったそうです。
朝目覚めた時に、顔全体がむくみまぶたが開かない状態になったため、ようやく病院へ。
尿検査によりたんぱく尿が出て腎臓が壊れ始めているサインでした。
腎臓は血液を濾過して老廃物を取り除き、尿として体外へ排出します。
その一方で体に必要なたんぱく質などは再び血液中に戻します。
ところが富樫さんの腎臓は、血液を濾過する細い血管が炎症を起こし、うまく濾過できなくなっていました。
その結果、たんぱく質は血液中に戻らず尿へと漏れ出ていたのです。
血液内のたんぱく質が少なくなると血管内の水分を一定に保つ力が低下し血管の外へ水分が漏れてしまいむくみが起こります。
これをネフローゼ症候群といいます。

●富樫さんのネフローゼ症候群の原因
佐々木陽典先生によると、
・B型肝炎ウイルスに感染⇒腎臓に炎症⇒タンパク尿
そんな富樫さんのチョイスは?
抗B型肝炎ウイルス薬
ウイルスを抑えることによって腎臓の炎症は治まり、ネフローゼ症候群から回復し、体の不調も消えていき、むくみも徐々に減っていったそうです。

◆ネフローゼ症候群:何らかの原因で、尿にたんぱく質が大量に漏れ、血液中のたんぱく質が減り、むくみが起こる状態。
最初は脚のむくみ⇒ひどくなると全身のむくみ
*早い段階から、まぶた・顔のむくみも
原因が特定できないケースが多い、糖尿病・リウマチ・がんなどが原因になることも
B型肝炎ウイルスが原因になることは珍しいそうです。

◆ネフローゼ症候群の治療
・塩分制限
・利尿剤
・副腎皮質ステロイド
・免疫抑制剤

むくみをきっかけにある病気に気付いたケース

武田さん男性(51) のケース
太ももから足首までむくみ、座ったり立ったりがしずらくなり、脚がパンパンにはっているため痛くしゃがむ時がきつかったそうです。
そしてむくみ以外の症状も、
・終始だるい
・疲れがとれない
・息があがる
何度も息切れを繰り返し、時には酸欠状態に陥ることもあったそうで病院へ。
検査を受け、初めてむくみの原因が分かったそうです。
X線画像には肺に大量の水が写っていたそうです。
武田さんは心臓の機能が低下する心不全だったそうです。
【きょうの健康】心不全 チーム医療で支える!緩和ケア
心不全によるむくみ
心不全になると血液の流れが滞り、肺だけでなく全身で血管から水分が漏れ出て体がむくんでしまうことがあります。
武田さんの場合、むくみで体重が15kgも増加していたそうです。
武田さんは20年前から糖尿病といわれていたそうです。
しかも血圧が高く、そのことが心不全につながったと考えられます。
むくみをきっかけに心不全に気付くことができた武田さんのチョイスは?
・利尿剤
まずは利尿剤を使ってたまった水分を出しました。

するとむくみはみるみる改善し、体重も一気に落ちていったそうです。
そして、酸素吸入をして酸欠状態を解消、その結果息切れなどの症状もなくなったそうです。
さらに血管拡張剤を使って血圧を下げ心臓の負担を減らしていったそうです。
武田さんは「むくんでいなければ、そのまま倒れていた可能性もある。不幸中の幸いだった。
病気のサインが出たということで」と語っていました。
佐々木陽典先生によると、
心不全:心臓がポンプ機能を果たせていない状態で
全身の血管から水分が漏れ出してむくむ

あるホルモンの異常によるむくみ

坂倉さん女性(49)のケース
むくみを感じたのは半年前。
靴が履けないくらいむくみ、顔がパンパンになり、目がうつろになったそうです。
坂倉さんを襲ったのはむくみだけてなく、
・だるさ
・眠気
・更年期うつみたいな気持ちも下がってきて頭がボーッとしていたそうです。
・ろれつが回らない
・声がかすれる
・寒気
・汗が出ないなど
全身の不調が同時に現れたそうです。
判断力・集中力の欠如
坂倉さん「普通に生活できない。希望が持てないくらい症状がひどかった」そうです。
実はこのような症状にはあるホルモンが関係していたそうです。
それは、甲状腺ホルモン
岡本甲状腺クリニック 院長 岡本泰之先生によると、
甲状腺ホルモン:、全身の新陳代謝を調節する。いわばエネルギーの源。
甲状腺ホルモンはのどにある臓器甲状腺により作られます。
血液によって運ばれ、全身の臓器に作用。新陳代謝を活発にし、活動に必要なエネルギーを作り出す大切なホルモンです。
しかし、この時の坂倉さんは甲状腺ホルモンの分泌量が減少していました。
坂倉さんの治療のチョイスは?
・甲状腺ホルモン剤です。
2種類のホルモン剤を徐々に増やしながら飲んでいったそうです。
すると4ヶ月ほどで、全身のむくみや体の不調が消えていったそうです。

甲状腺機能低下症の主な原因

・甲状腺の腫れ
・むくみ
・寒気
・便秘
・皮膚の乾燥
・脱毛
・太る
・記憶力の低下
・徐脈
・コレステロール上昇
・けん怠感
・月経過多
・ろれつが回らない・声がかすれる⇒舌や声帯のむくみと思われるそうです。
Q.なぜ甲状腺ホルモンの分泌が減るとむくむ?
佐々木陽典先生「たまった古いムコ多糖(ヒアルロン酸など)に水分が引き込まれてむくみが起こる」

その他むくみを起こす病気

・肝硬変
・慢性腎臓病
・リンパ浮腫
によってむくみが起こることがあります。

病気を疑うむくみ

・痛み+片脚のむくみ⇒深部静脈血栓症
・急な全身のむくみ⇒ネフローゼ症候群
・むくみ+けん怠感⇒甲状腺機能低下症
・むくみ+息切れ⇒心不全
*むくみ+別の症状がある時=まず内科・総合診療科へ!

むくみ予防のストレッチ

家庭でできるむくみ予防のストレッチを教えてくださったのは、
早稲田大学 スポーツ科学学術院 非常勤講師荒木邦子先生です。

むくみ予防ストレッチのやり方

●むくみ予防ストレッチその1:イスヨガ
1.イスに浅く腰掛け、90度横を向きます。
2.外側の脚を後ろに伸ばして、つま先を立てます。
3.2の状態からもう少し後ろに脚を送り出します。
4.ももの付け根から太ももの前が伸びたら、伸びた脚の方の腕を上に伸ばし、大きく息を吸ます。
5.息を吐きながら背もたれ側に倒し、5秒キープし、戻ります。
※痛みが出た場合は中止してください。
2回目
1.4まで同じで、息を吐きながら斜め前に体を倒し、手先を遠くに、脚も後ろに送り、大きく息を吸い細く長く息を吐きながら5秒キープします。
2.5秒後、ゆっくり手を下ろし、体を前に倒して脚を引き寄せます。
*腰を痛めないように前かがみになって脚を体に引き寄せます。
180度体の向きを変えて反対側も行います。
片側2回ずつ、朝晩行います。
息は苦しくない程度に深くながく吐きましょう。
※イスヨガの効果:
上半身と下半身をつなぐ腹部の筋肉のストレッチ⇒腕と脚の血流を促進

●むくみ予防ストレッチその2:筋ポンプ&ストレッチ
1.低い段差につま先をかけます。
2.安定したイスや壁などに手を添えます。
3.姿勢を崩さずゆっくりと背伸びを5回行います。
4.最後にかかとを床につけてふくらはぎを伸ばし、ふくはらぎのストレッチをします。
※転倒などには十分注意をしてください。
平面でもできますが、少しでも段差があった方が筋肉の収縮の幅が大きくなり効果的です。
5回=1セット 朝晩2セットずつ行います。
デスクワークの合間に行うのも効果的です。

むくみ予防ストレッチその3:足首ぐるぐるぶるぶる
1.仰向けに寝て両膝を立てます。
2.片脚を真上に上げて、足首を回します。
3.2回回したら、逆方向にも2回回します。
足首をゆっくり回すのがポイントです。
4.両足が終わったら、今度は両脚を真上に上げて、足首をぶるぶる揺り動かします。
血液や体液が下がっているのを感じるぐらいまで行いましょう。
効果:足首を回す=足首全体の筋肉の深部まで刺激
足首ぐるぐるぶるぶるは朝と晩に2回行います。
Q.全部行った方がいい?
荒木邦子先生「必ずしも全部行う必要はありませんが、できる事を少しずつこまめにやればOKです」
佐々木陽典先生「ほとんどのむくみは問題ないことが多く、食事や運動でよくなることがあります。
むくみに加え、別の症状がある場合は病気の疑いがありますので医療機関で受診を」

非常に短いですが、むくみ予防ストレッチその1と2の形はこちらの動画で分かると思います。

最後に

むくみって怖いですね。
普段思っているむくみという範囲を超えている命に関わる場合もあるんですね。
むくみに関する記事はこちら