【きょうの健康】早期発見で心不全は予防できる!

きょうの健康 心不全 予防

きょうの健康今回のテーマは心不全!爆発的拡大に備えろ。6月11日は心不全は予防できる!
心臓の働きが徐々に悪くなる心不全。命にも危険が及ぶ心不全。でも心不全は予防できるんです!
そして早期発見することで進行を抑えられることもわかりました。
教えてくださるのは、日本心不全学会 理事長 筒井裕之先生です。
心不全の新しい診療ガイドラインの作成にあたりました。

心不全の予防

.心不全は本当に予防できる?
筒井裕之先生「心不全は最終的に死に至る病気です。それでもそこに至るまでには、長い経過があります。そこで心不全に至る生活習慣や原因となる心臓病の早期発見とその対策に取り組んでいくことが予防になります」
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今回のポイント

●4つのステージで進行
2018年に公表された心不全診療ガイドラインでは、心不全に新しくステージが定められました。
◆心不全の進行
・ステージA:心不全の危険因子あり
・ステージB:心臓の働きに異常が出現
・ステージC:息切れやむくみなど心不全の症状が出現した状態
・ステージD:治療が難しくなるほど悪化した状態
「急性・慢性心不全診療ガイドライン」をもとに作成
Q.心不全は症状が現れるとステージCということですか?
筒井裕之先生「意外に感じるかもしれませんが症状が現れてきたステージC以降を進展といいます。
ステージCに至る前に心不全の予備軍とも言えるステージAとBという段階があります」
Q.ではステージA・Bはどういう段階?
筒井裕之先生「心不全の症状はなく、心臓の働きにも異常は認められない。しかし、心不全の危険因子を抱えている状態です(高血圧・糖尿病のために動脈硬化が進んでいる)。
ステージBもまだ心不全の症状はありません。しかし、心臓の働きに異常が出現(心肥大、心拍質量低下したり、心筋梗塞、弁膜症、心筋症、不整脈など心不全の原因となる病気を持っている)している状態です。
これらを放っていると、いよいよ心不全の症状が出現してきてステージCになります。さらにステージDまで進行するとあらゆる治療を行っても症状がなかなか改善せず、治療が難しくなる難度を繰り返すようになってきます」
心不全は、ステージが進むにつれて身体機能が低下してきます。⇒これを表したグラフは、こちら

●どうやって予防する?
ステージAでは、高血圧・糖尿病・動脈硬化といった危険因子の対策が心不全の予防につながります。
ステージBでは、心筋梗塞・弁膜症・心筋症・不整脈など心不全に直結する心臓の病気を確実に治療します。
Q.自分の抱えている病気を治療することが心不全の予防につながる?
筒井裕之先生「その通りです。将来の心不全の発症を予防するという意識を持って接し取り組んでもらいたい。
例えば、高血圧や糖尿病の患者さんは自分はステージAだと思っていても気がつかないうちに動脈硬化が起こり、そして心臓が肥大したり心拍質量が低下したりすることもあります。
ステージBに至っているということに気付かないと言うこともあります。
心筋梗塞などの病気がないからといって決して安心しないで治療にあたっていただきたいと思います。
ステージBになりますと特に心筋梗塞になった患者さんでは心不全の原因に最も多いわけですから検査などをきちんと受けてステージCに進行しないようにしていただく必要があります」

ステージA・Bの心不全予防

日常生活で、できること
・減塩
・肥満解消
・適度な運動
・禁煙
・節酒
・ストレス軽減
筒井裕之先生「これの重点は食事と運動です。食事では減塩、塩分の摂りすぎは、血液の量を増やして心臓への負担を増やしてしまいます。
また、食べすぎないようにして、肥満を解消する必要があります。
適度な運動も非常に重要で運動はウォーキングなどの有酸素運動を1日30分以上、週3日以上を目安として行うことがすすめられています。

Q.それでも心不全を発症してしまったら?
筒井裕之先生「自分が心不全であるということをできるだけ早く気がついていただいてそのために必要な治療をできるだけ早く受けていただくということが大切です。
それによって、心不全をさらに悪化させる事を止められると思います」

●早期発見するには?
早期八卦するにはまず心不全の自覚症状を見逃さないことです。
◆心不全の自覚症状
・息切れ、むくみ(代表的な症状)
・体重増加
・食欲不振
・腹部膨満感
・疲れやすい
・低血圧
・手足が冷たい
筒井裕之先生「息切れは、早期から気付いていただきたい症状のひとつです。ひどくなってしまった早期発見とは言えない」
◆息切れの悪化
坂道や階段で⇒平地を歩いても⇒最後は安静時にも
筒井裕之先生「高齢の方は、息切れをしても年のせいかなというふうに思いがちですが、
普段と同じ距離を歩いても息苦しくなったら心不全の可能性も考えていただきたい。
・むくみ
筒井裕之先生「立ち仕事を続けていると足がむくむということはよくあります。
心不全のむくみは、少し違い、足首の周囲、足の甲スネなどを指でしばらく押すと、くぼんで元に戻らないというのが特徴です。
心不全のむくみでは、体重の増加も一緒に起こってきます。
心不全では体重が1週間で2~3kg増加するということも。したがってむくみを感じた時は毎日体重もチェックしていただくことが必要です」
・疲れやすい
筒井裕之先生「疲れたというのもよくあることですが、心不全の場合は少し違った特徴があります。
・身の置き場がないようにつらい
・横になっても、なかなか疲れがとれない
など今まで感じたことがないような疲れを感じた時には心不全の可能性も考えていただく必要もあると思います」

心不全の早期発見には検査も必要です。
◆心不全の検査
・心電図
・胸部X線
心不全では肺の血管が白く写ります。細い血管はほとんど写りませんが、うっ血して太くなると白く写るようになります。
心臓の拡大や肺の中に水がたまる胸水も見えます。
・BNP(採血検査)
心臓に長時間負担⇒主に心室から分泌されるホルモン
BNP値(pg/mL)
40~軽度の心不全(可能性がある)・100~心不全(可能性がある・200~(可能性が高い)
・心エコー(超音波検査)
筒井裕之先生「心エコーによって初めて心臓の異常が見つかることもあります。
心不全で心エコーは最も重要な検査」
この心エコーの検査を受けていただくことによって心不全の重症度や心不全の原因となった病気の診断ができる非常に有用ですし、
1度受けると治療の効果の判定にもこの検査は大変有用です」
・CT
・MRI
今回のの詳しい内容については、きょうの健康6月号に掲載されていますので、是非参考になさってください。

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最後に

心不全は命を奪う怖い病気ですが、症状が出る前に早期に発見できれば、予防も可能なので、健康診断などは積極的に受けたいですね。
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最後までありがとうございました。