きょうの健康12月20日餅だけじゃない!窒息の予防と応急処置

冬の事故と言えば、お餅を詰まらせて窒息する事故でしょうね。毎年年末年始になると、餅をのどに詰まらせて死亡するという事故をニュースで良く見ます。
そんな窒息事故について、12月20日のきょうの健康では「餅だけじゃない!窒息の予防と応急処置」と言うタイトルで放送されました。
窒息の予防と応急処置
冬の窒息の事故は、2006年から交通事故を上回りました(2017年調べまで)。
交通事故より多いと言うのが愕きですよね。
窒息事故は、ご高齢の方が多くなっています。
年末年始には餅を食べる機会が多いですので、十分注意が必要です。

窒息事故は餅だけはない!

今回の専門家の方は、日本医科大学助教授 五十嵐豊さんです。
窒息事故は餅だけはありません。
のどに詰まりやすい食べ物は、餅だけでなく、高齢者は、ごはんやパン、芋類、野菜、肉、お菓子、果物、魚貝類など、あらゆる食べ物ものでも、のどに詰まりやすいそうです。食事の際はご家族揃って見守りながら食事をするようにしたいですね。

1.肉やタコなど、硬い噛みにくい食べ物。
2.人参など硬い野菜は加熱して柔らかくする
3.団子やあめなど菓子類で窒息する場合もあります。

●これらの食材は、一口より小さく切って食べる。
●ゆっくり噛んで、焦らず食べる。
●パンなど乾いたものは、パサパサして食べにくいので、水分を摂りながら食べる。
●こんにゃく入りゼリーは凍らせたものでも詰まる。
●アメを口に入れた状態で横にならない。

窒息の予防と応急処置

 

不慮の窒息による救急搬送患者数は、正月が特に多く、1月をはさみ、12月、2月の3ヶ月間のが死亡者数が特に多くなっています。
その中でも65歳以上の高齢者が、80~90%を占めています。

高齢者が窒息する原因

・のみ込む力が低下
・せき反射が低下(のどに異物が入った時、ゴホンゴホンとせきを出して異物を出そうとする働きのこと)
・唾液が十分に出ない(普通良く噛むと、唾液が出て、のみ込みやすくなるのですが、高齢者の場合十分に出ないことがある)
・歯が悪く良くかめない

以上の理由により、高齢になると、誰でもなり得ることだそうです。

さらに、
特に注意が必要な場合

・脳卒中、パーキンソン病など神経の病気がある
・うつ病、総合失調症など心の病気がある
・歯を失うなど口の中にトラブルがある
口の中にトラブルがある場合、良く噛まずに飲み込む場合がある。

窒息事故は命の危険も!

呼吸停止からの時間と生存率(目安)

・1~3分:生存率100%
・10分後生存率50%
・15分過ぎると:死亡率100%

異物除去のタイミングと快復率
・窒息時に現場に居合わせた人が処置した場合、快復率7割以上
・救急隊員到着後では、約3割
ですので、周囲にいる人がすぐに対処することが重要です。

窒息の対処法

窒息のサインにきづくこと
気管が詰まり苦しくなると、ほとんどの方が、両手で喉を押さえる「チョークサイン」を行う
その場合、窒息を疑う。
また、チョークサインを出さずぐったりする方もいる
こういう場合は、
・食事中に急にうなだれる
・声を出さない。
・顔色が真っ青になる
こんな症状が現れたら、食べ物による窒息を疑う。

確認

1.呼びかけに反応があるか
2.声が出るか
以上反応がある場合⇒せきをさせる(できる場合)

注意
この時、水は飲ませない
こんな時水を飲ませるとさらに危険になるため、絶対に水を飲ませない

1.異物が出ない
2.せきができない
3.息が吸いにくい

こんな場合は、119番通報をし、救急隊員が来るまでに異物除去を開始する。

異物除去の方法

1.お腹を強く押して突き上げる腹部突き上げ法
2.背中を強くたたく背部叩打(こうだ)法

まずは、腹部突き上げ法を行い。
効果がない場合は、背部叩打法を行います。
ただし、妊婦や乳児には腹部突き上げ方行わない

腹部突き上げ法のやり方

1.患者を立たたせるか、立てない場合は座らせる。
立った姿勢で背後から手を回し。
2.片方の手の親指以外の4本でへその位置を探します。
3.もう片方の手は、握りこぶしで親指側をへそとみぞおちの間へ置きます。
「2.」の手は「3.」の手を握ります。
4.背後から手前上に圧迫するように突き上げます。
これを5回ほど繰り返します。
この後、背中を強くたたく背部叩打法を行います。

注意
腹部突き上げ法の実施後は、内蔵を傷める可能性があるので、その旨を救急隊員に伝えます。
これでも異物が出なかった場合は、背中を強くたたく背部叩打法を行います。

背部叩打法のやり方

1.こちらも患者は立ったままでも座ったままでもどちらでも良い。
2.背後から片方の手で、患者の下あごを支えます。
3.そして、もう片方の手のつけ根の部分で、患者の背中の肩甲骨と肩甲骨の間を迅速に4~5回強くたたきます。

注意
異物が出たとしても、一部の異物が残っている場合もありますので、必ず医師に診てもらうようにしてください

それでも、異物を除去できない場合
1.患者がぐったりしている場合、心肺蘇生法を開始する
2.AEDがあれば用意

心肺蘇生法は決して中断してはいけません。
救急車が来るまで、休まず行います。

まとめ

のどに詰まる食べ物は餅だけでなく、野菜や果物、肉や魚貝類など多くの食材がある。
●窒息を防ぐポイント
・食べ物は少量ずつ細かく刻む
・少量ずつ口に入れる
・ゆっくり良く噛んで食べる
・水分を摂りながら食べる
・食べながら話をしない
高齢者が食事をする時は、ご家族も一緒に見守りながら食事をしましょう。
最後までありがとうございました。