【チョイス】歯を失ったときの治療法を水口俊介先生と丸川惠理子先生が紹介

チョイス@病気になったとき 歯 治療法

チョイス@病気になったとき2019年12月21日放送は、「歯科最新情報 歯を失ったとき」について紹介されました。
日本人は50代後半になると、すでに平均3本の歯を失っていると言われています。
では、もし歯を失ってしまったら、あなたはどんなチョイスをしますか?
基本は?インプラント、ブリッジ、入れ歯の3つでもどうやってチョイスしたら良いの?
見た目、身体への負担、費用などそれぞれの治療のメリット・デメリットを徹底比較。
解説しくれたのは、東京医科歯科大学教授 水口俊介先生です。
インプラントの解説は東京医科歯科大学大学院 准教授 丸川惠理子先生です。

歯を失ったとき

講師:東京医科歯科大学教授 水口俊介先生
講師:東京医科歯科大学大学院 准教授 丸川惠理子先生
司会:八嶋智人さん・大和田美帆さん

●歯を失う主な原因

・歯周病:37.1%
・虫歯:29.2%
・破損:17.8%
・その他:15.9%

歯を失ったときの基本のチョイスとは?

●田添美樹夫さん(71)が歯を失ったとき
田添さんは左上の奥歯を1本失いました。
田添さん「3ヶ月に1度、歯ぐきが腫れたり、血が出たりして、歯科医に歯周病がかなり進んでいると注意された」
田添さんは、歯周病の治療を1年ほどかけて行いましたが、改善せず歯を抜くことになったのです。
そこで田添さんがチョイスしたのは「ブリッジ」です。

*ブリッジは、失った歯の両隣にある歯を削り、そこへ連結型の歯を被せる治療です。
田添さんはなぜブリッジをチョイスしたのでしょうか?
・保険で治療したい
・部分入れ歯は自分の歯で噛んでいる感覚がない⇒ブリッジとは格段の差
・亡くなった歯と同じ感覚で使える

●加藤路子さん(61)が歯を失ったとき
加藤さんは5年ほど前左下の奥から2番目の歯に異変が起こりました。
加藤さん「ぷくっと晴れている感じ、歯磨きの時、違和感もあった」とのこと。
それで歯科に行き、でX線写真を撮ったら歯の根が折れていたそうです。
歯の根が折れていた加藤さん⇒細菌感染の恐れ⇒抜歯
加藤さんが最初に選択肢にしたしたのは「ブリッジ」でした。
しかし、その歯の両側をセラミックにしたばかりだったたそうで、
ブリッジだと折角キレイにした両隣の歯を削らなければならないため、
そこで加藤さんがチョイスしたのが「インプラント」でした。

*インプラントは、あごの骨に人工的な歯の根っこを埋め込む治療法です。
まず、土台となるチタン製のネジ状の部品をあごの骨の中に埋め込みます。
その土台が骨と結合するまで1ヶ月~4ヶ月、その後土台の上にシリコン製の歯を取り付けます。
歯やあごの骨にしっかり固定できるので安心感に優れているのが特徴です。

インプラントのデメリット

・歯周病になると植えたインプラントもダメになる

●中村和也さん(62)が歯を失ったとき
中村さんは2年前に右下の奥歯が1本グラつくようになり、歯を抜くことになりました。
中村さんがチョイスしたのは「入れ歯」です。

*部分入れ歯は、人工の歯の金具を両隣の歯に引っかけて固定します。
そのため、自分で取り外して手入れをすることができます。

なぜ部分入れ歯?
・インプラントは骨にアンカーを打つ
・地盤(歯ぐき)が悪かったらアウト
・ブリッジは、支えるために両隣の歯に加工が必要
・自分の体を一番いじめない方法だと思った
・治療が早いかつ安い

私も部分入れ歯をしていましたがケアのため外したり付けたりを繰り返すうちに金具が歪み、合わなくなり、取れてなくしました。

女性シンプル

合わなくなると食べカスもたまって気持ち悪いし、次はないです。

Q.歯が抜けたままにしておくのは良くない?

水口俊介先生によると、歯はお互いに力を及ぼしながら並んでいるので1本失うと歯列が乱れると言う事でした。
抜けた歯の上の方の歯が伸びて、その下の歯が押されて傾いたりするそうです。
なので、かみ合わせが悪くなる⇒虫歯・歯周病・顎関節症が起こりやすくなるそうです。

部分入れ歯のメリット・デメリット

●メリット
・取り外しが楽
・費用が安い(保険適用)⇒3割負担で1万円弱
*素材によっては自由診療になるそうです。
・治療が短期間

●デメリット
・異物感がある
・噛む力が弱い
・固定する歯に負担
・外れやすい

Q.両隣に支える歯がない場合は?
水口俊介先生によると、反対側の奥歯なども使って固定するそうです。

ブリッジのメリット・デメリット

●メリット
・見た目が良い
・違和感がない
・噛む力が落ちない

●デメリット
・両隣の歯に負担
・汚れがたまりやすい
*ダミーの歯の下の部分にたまるそうです。

保険適用の場合
素材は金銀パラジウム合金(3割負担の場合15000円程度)

条件が合えば、一部の歯は歯の色に近い硬質レジンを使う場合もあるそうです。
見た目を良くしたいという理由で違う素材を使う場合は自由診療になります。

インプラントのメリット・デメリット

教えてくれたのは東京医科歯科大学大学院 准教授 丸川惠理子先生です。

●メリット
・周囲の歯に負担をかけない
・噛む力が落ちない
・見た目が良い

●デメリット
・治療期間が長い(半年~1年)
・費用が高額(自由診療のため1本あたり数十万円)
・ケアが重要
*ケアをせずに汚れたままにしておくと土台の骨が溶けていくそうです。
歯磨きなどケアできない人にはおすすめできない治療法だそうです。
詳細は下記の「インプラントのケア」をご覧ください。

Q.あごの骨に穴を開けても大丈夫?

・近くの神経・血管を傷つけるリスク
・CT画像で場所を確認しながら手術

今後失われる歯を予測して口全体の治療を計画してくれる歯科医がおすすめだそうです。

インプラントのケア

インプラントを入れると歯と歯ぐきの境目に汚れがたまり、炎症が起きやすくなります。
そのため、必要な道具を使って歯を丁寧に磨くことが必要です。

●歯ブラシ:歯と歯ぐきの境を丁寧に細かく磨きます。
●歯間ブラシ:歯と歯の間の汚れを取り除きます。
*サイズは担当医に相談しましょう。↓
●タフトブラシ:隙間が大きい場合に使用します。

セルフケアも大事ですが、治療後も定期的(3ヶ月半~半年に1回)なメンテナンスが必要だそうです。

ブリッジのケア

ブリッジは、ダミーの歯の下の部分に汚れがたまりやすくなります。
そこでデンタルフロスとフロススレッダーと呼ばれる道具を使って1日1回掃除していきます。

部分入れ歯のケア

1.部分入れ歯を外し、歯ぐきを歯ブラシでケアします。
2.外した入れ歯は歯の部分や金具を歯ブラシで傷まないように優しく磨きます。
3.入れ歯の裏側の汚れもしっかり落とします。
*研磨剤入りの歯磨き粉は入れ歯を傷つけてしまうため使用しないでください。
また、市販の入れ歯洗浄剤だけで済ますのはやめましょう。
入れ歯洗浄剤には歯ブラシで磨いた後につけておきます。

それぞれ、やはり長所と短所があり、選ぶのに迷うと思います。
そこで水口俊介先生によるチョイスの仕方は、
・抜けた本数
・残っている歯
・何歳の時抜けたか
・経済的な状況
・忙しさなど
難しいですが、以上を考慮してチョイスするのが良いとのこと。

歯科医との相談も必要ですね。

女性シンプル

歯を失ったときのもうひとつのチョイス

●杉本茂治さん(69)が歯を失ったとき
杉本さんは6年前に左上の奥歯に違和感を感じ、近所の歯科を受診しました。
杉本さん「昔虫歯を治療したところの具合が悪くなり、歯科に行ったら歯の根にひびが入っていた。
歯科医に相談したら抜歯以外に方法はないと言われた」
歯を抜かれた杉本さんがチョイスした治療は?「自家移植」でした。

*自家移植?
丸川惠理子先生によると、親知らずや埋まっていない歯などをドナー歯として、歯を失った部分に移植する治療法だそうです。
術後1ヶ月ほどで移植した歯は歯ぐきにくっつくそうです。
術後6年の杉本さんの使い心地は?
杉本さん「移植した歯だということを意識することはほとんどない。
自分にとって歯の自家移植はベストな選択だった」

●立野直樹さん(58)が歯を失ったとき
立野さんが歯を抜いたのは虫歯が悪化したためです。
立野さん「痛いからもう食べたくないし、飲みたくない・・・」
実は立野さんは自家移植をする前に、別の歯をインプラントで治療していました。

立野さん「自家移植はインプラントと比べて、噛み心地が違う。
インプラントは土台が金属なので噛んだ時クッションが効いてないが、
自分の歯はサスペンションが効いているような感じ」

丸川惠理子先生によると、インプラントと自家移植を両方受けた人だと、
分かる感覚だと思いますが、歯には歯根膜という膜が歯とあごの骨の間に存在しているので、 その膜がクッションの役割を果たし、「硬い」「痛い」などと感じることができるので、 噛んだ感覚が全く違うと言う事でした。
治療から3年経った立野さんは硬いものでも食べられるようになったそうです。

立野さん「うまくできるのであれば、自家移植が金銭的にも治療後の食生活においても良い治療だと思う」

丸川惠理子先生によると、自家移植は、4~5年前から行われているそうですが、手術が難しいそうですが、近年徐々に広がってきているそうです。

自家移植:治療は1ヶ月ほどで歯が固定し、2ヶ月ほどで食事ができるようになるそうです。

自家移植ができる条件

・ドナー歯の形や大きさが移植先に合っている
・ドナー歯が虫歯や歯周病になっていない
・移植先のあごの骨の状態が良いなど

Q.移植した歯が抜けてしまうことはない?
普通の歯と同じように割れたり、歯周病になったりすることがでてくるので抜けることはあるそうです。

移植した歯の生存率:5年後9割以上・10年後8割以上あるそうです。

自家移植は、保険診療と自由診療で行う場合があるそうです。
・保険診療:3割負担の場合、1本1万円程度
ただし使う歯は、親知らずか歯ぐきに埋まっている歯に限られます。
また、抜歯されていない状態で治療を始めることも条件になります。

・自由診療:移植の後の根の治療も含め、1本15~30万円程度

最後に

・歯を抜けたまま放置しない
・それぞれの治療の特徴を理解して主治医と相談して決めましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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