【たけしの家庭の医学】肩こりが循環器内科で劇的改善?その理由とは?

たけしの家庭の医学 肩こり 診療科

名医とつながるたけしの家庭の医学2019年11月12日放送は、「肩こりはどの診療科に行ったら良いの?」が紹介されました。
肩こりはそのタイプによって適切な治療ができる診療科が異なます。
正しい診療科選びで劇的に肩こりを改善した症例を紹介してくれました。
教えてくれたのは、東京都健康長寿医療センター 循環器内科 副院長 原田和昌先生です。

肩こりはどの診療科に行ったら良いの?

小さな商社の事務で働くベテラン社員横山和子さん(55・仮名)
横山さんが苦手な相手が新しく導入された新しいコンピューターソフトです。
慣れないシステムを何とかマスターしたいと1日中パソコンとにらめっこ。
そのため肩から首筋にかけてパンパンにこり固まってしまうまでに・・・。
そう横山さんが悩んでいるのは誰にでも良くある「肩こり」。

そんな横山さんが行くべき診療科とは?
実は下記の9つの診療科の中にあるのです。
・整形外科
・歯科
・呼吸器内科
・循環器内科
・皮膚科
・消化器内科
・耳鼻咽喉科
・神経内科
・肛門科

多忙を極めたある日の昼休みのこと
弁当を購入し、急いで会社に戻る時、突然左肩を強く握られたような感覚と共に「ズキッ」とした痛みを感じたのです。
何時もと違う肩こりの痛みに不安を覚えたものの10分ほどすると痛みは引いていきました。

・横山さんの肩の痛みの特徴1:痛む場所を動かさなくても痛みが起きる
・横山さんの肩の痛みの特徴2:10分程度で痛みが消える

そこで整形外科を受診。
整形外科は、主に骨・筋肉・関節の異常を診る診療科です。
肩こり・腰痛・ひざ痛などおなじみの不調を治療してくれます。
横山さんの肩関節の異常・筋肉の炎症を調べるため、MRI撮影で診るも、関節や筋肉に痛みを起こすような異常はありませんでした。
整形外科では単なる肩こりの悪化と診断され、湿布などで対処したのですが、肩こりは治まりませんでした。

・横山さんの肩の痛みの特徴3:なぜか毎朝の通勤途中に必ず現れる
・横山さんの肩の痛みの特徴4:仕事が忙しくなると頻繁に現れる

そしてこの後横山さんの肩に別の症状が加わります。

・肩こりとは別の症状1:キリキリとする胸焼け⇒15分ほどで肩の痛み同様治まった
食事のタイミングと関係なく毎日胸焼けに襲われる

そこで横山さんは、消化器内科へ
消化器内科:食道・胃・小腸・大腸など消化器と呼ばれる臓器を診る診療科です。
内視鏡検査で食道や胃を詳しく調べても、胸焼けを起こすような炎症はありませんでした。

・肩こりとは別の症状2:突然左奥歯の痛み
次に横山さんが訪れたのは歯医者でしたが、虫歯も歯ぐきの炎症もありませんでした。

・肩こりとは別の症状3:意識が遠のくようなめまい
その時駆け込んだのが耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科:耳・鼻・のどを専門に診る診療科。内耳に原因があるめまいも耳鼻咽喉科の守備範囲です。
しかし、またしても内耳の機能にはめまいを起こすような異常は見当たりませんでした。

横山さんの肩こりの症状まとめ

・肩の痛み⇒整形外科:異常なし
・胸焼け⇒消化器内科:異常なし
・歯痛⇒歯科:異常なし
・めまい⇒耳鼻咽喉科:異常なし

肩こりを改善した診療科とは?

これまでに横山さんに起きた症状を聞いた医師は、横山さんにある診療科への紹介状を書いてくれました。
医師に書いてもらった紹介状で向かった診療科は循環器内科でした。

なぜ横山さんが肩こりを循環器内科で改善できたのか?
東京都健康長寿医療センター 循環器内科 副院長 原田和昌先生が教えてくださいました。
循環器内科:心機能の低下・高血圧・動脈硬化症など心臓や血管の病を診る診療科です。
原田先生は循環器の専門医として、これまで延べ10万人以上の患者さんを診察・治療に尽力。

さらに厚生労働省や心不全学会が発表する心不全患者の治療に関する報告書の策定委員を務めるなど 日本屈指の循環器内科の名医です。

肩こりを引き起こした病は【狭心症】なんです。
心臓に栄養を送る血管が細くなる事で起こる狭心症。

なぜ狭心症で肩こりが起きる?

狭心症になると心臓から出た痛みの信号が脊髄の中にある神経を通って脳に痛みが伝えられます。
ところがその近辺の肩からの痛みを伝える神経も合流しているため、心臓と肩の神経が混線して、 脳が心臓の痛みを肩のコリと勘違いする場合があるそうです。
しかも勘違いの痛みが起きる場所は肩だけではなく、 両あご、首、両肩、胸からみぞおちにかけて、そして左腕の内側小指の先までと狭心症による勘違いの痛みは、 かなり広い範囲で起きるそうです。
原田先生も実際に左の歯が痛むという患者さんを何人も診てきたそうです。

別の診療科で治療が期待できる意外な2つの肩こりとは?

【食後】に起きる肩こり

【食後】に起きる肩こりで疑われるのは「胆のう炎」⇒消化器内科
胆のう炎⇒脂肪の多い食事⇒胆のうが過剰に働き、炎症が悪化します。
その痛みを同じように神経が混線することで肩こりと勘違いしてしまうことがあるそうです。

【月に1回】定期的に痛む肩こり

正に月に1回というのは生理の時⇒疑われるのは「子宮内膜症」⇒婦人科
子宮内膜症:子宮の内側にある内膜が子宮の外側に飛び火する病です。
生理の度にその場所で出血します。
まれに横隔膜などに飛び火することがあり、横隔膜などの痛みを肩こりと勘違いしてしまうそうです。

原田和昌先生によると、生理のタイミングで肩こりなど身体のどこかがひどく痛む場合は婦人科へと言う事でした。

最後に

正しい診療科を選ぶことで劇的に改善できるようですが、
知らないとどうしても整形外科や整骨院などに行ってしまいますよね。
症状を覚えておいて適切な診療科を選びましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。