【きょうの健康】コンタクトレンズ障害の予防法!間違いは失明する?

コンタクトレンズ障害の予防法

2019年10月10日放送のきょうの健康はトコトン点検!目の健康というテーマで今回は、「コンタクトレンズで目に障害!」が紹介されました。
ケアが楽になり、手軽に購入できるようになったことで利用者が増えているコンタクトレンズ。
その一方でコンタクトレンズによる障害を訴える人が後を絶ちません。
どんな異常が起こるのか?早期発見のために何が大切なのか?解説してくれました。
コンタクトレンズ障害の予防法について教えてくださったのは、東京女子医科大学眼科 教授 高村悦子先生です。

コンタクトレンズで目に障害!

講師:東京女子医科大学眼科 教授 高村悦子先生(専門は角結膜感染症・ドライアイ・アレルギー性疾患)
現代人の身近な目のトラブルの専門家です。
キャスター:黒沢保裕さん・岩田まこ都さん

コンタクトレンズは約1700万人の人が使っていると言われているそうですが、
日本眼科医会の調査によるとその利用者の5%の方に目の障害が起きていて
さらにそのうちの10%の方が重い症状なんだそうです。

コンタクトレンズで目に障害!今回のポイント

どう違う?ハードとソフトのコンタクトレンズ

ではどう違うのでしょうか?
角膜(白目)の上には涙の層があります。
コンタクトレンズは涙の層の上から角膜に向けて使います。
ハードレンズはその名の通り硬いレンズです。
角膜より小さいので黒目の部分の内側におさまるような形になります。
一方ソフトレンズ柔らかい材質で出来ています。
また、角膜より大きいため、目につけると黒目より外側まで覆う形になります。
ソフトレンズには、使える期間によって、1日使い捨てタイプ、2週間頻回交換タイプ、1週間連続装用タイプなどいろんな種類があります。

Q.目にとってどういう影響がある?
目にとっては角膜に酸素を運ぶ、涙が重要な役割をしているのですが、その状態が少し違ってきます。
ハードレンズ:まばたきするとレンズと角膜の間にある涙が15~20%入れ替わります。

ソフトレンズ:まばたきすると涙が1%くらい入れ替わります。

柔らかいので使い心地が良いのですが、角膜に障害を及ばさない程度の酸素は通るように設計されているので、 使い方を守っていれば問題ないですが、誤った使い方をすると角膜に十分な酸素を届けられなくなります。
酸素不足になった角膜は傷つきやすく、重篤な合併症を起こしやすくなります。
目に異常が起きてもソフトレンズの場合は気がつきにくく、知らぬうちに悪化してしまうという問題もあります。

【コンタクトレンズ】こんなに危険!様々な目の危険

コンタクトレンズによって起こる目の障害は様々です。
多くの場合、コンタクトレンズをつける角膜の部分に目の障害が起こります。
角膜の主な構造は、一番外側から「上皮細胞」次が角膜の「実質」そして「内皮細胞」です。
コンタクトレンズによる障害は、この3つの層それぞれに起こります。

角膜の一番外側の層、上皮細胞に起こる障害を角膜上皮障害と言います。
その1つのタイプが点状表層角膜症です。
角膜上皮というのは治りやすい部分なので、適切な治療やレンズの装用などを行っていれば治りますが、 角膜の上皮はバリアの機能をしているので、慢性化してくると、バリアが傷みそれがきっかけになって角膜の感染症などが起こることがあります。

角膜の上皮を越えて実質にまで炎症が広がった状態を角膜潰瘍といいます。
コンタクトレンズの合併症の中でも重症なもので、激しい痛み、充血、視力低下などを生じます。
原因としては、緑膿菌やアカントアメーバなどです。
治療が遅れたり症状が重かったりすると、視力低下が残ったり、場合によっては失明する場合もあります。

コンタクトを長時間使用すると、角膜の内皮が減ってしまう症状が現れることがあり、これを角膜内皮障害といいます。
角膜の内皮の正常な状態では、小さい六角形の細胞が一面びっしりと並んでいますが、内皮障害が起きてくると細胞が減ってしまい、その隙間を埋めるために大きい細胞が並ぶ状態です。
初期には症状がまったくないので注意が必要です。放置すると角膜がむくみ、視力が低下してしまいます。

Q.角膜以外の障害は?
コンタクトレンズについた汚れと、まぶたの裏のこすれで、アレルギー性結膜炎が起こることがあります。
ひどくなると、まぶたの裏がデコボコになってレンズが上にずれてしまう巨大乳頭結膜炎が起こります。

【コンタクトレンズ】その使い方が危ない!

普段こんな使い方していませんか?
1.汚れや化粧品がついた手でレンズに触れる
化粧品は、油がレンズにつきやすいので要注意です。

2.レンズケースが汚れている
保存する容器はしっかり洗って、きちんと乾かしてから使用し、定期的に交換するのも大切で、怠ると細菌の繁殖に繋がります。

3.洗浄のとき こすり洗いをしない
コンタクトレンズを消毒するのは、病原微生物の死滅と発育防止のために行うもので、 そのため、こすり洗いが絶対に必要です。
どんなに効果のある消毒液でも、こすり洗いをしないと十分に汚れをとることができないそうです。

4.レンズをつけたまま眠ってしまう
コンタクトレンズの長時間装用は角膜に十分な酸素が行き渡らないので目にとって大きな負担になります。
コンタクトレンズによる障害のうち6割が長時間装用が原因になっていますので、寝る時は外すというのが原則です。

5.レンズの保存に水道水を使う
飲用としての安全性は、きちんとチェックされていますが、コンタクトレンズの保存用の検査はできていません。
アカントアメーバがいることもありますので、水道水を保存に使ったために感染し、深刻な障害を起こす恐れがあります。

Q.コンタクトレンズをうっかりつけたまま寝てしまった場合はどうする?
寝ている間は、涙が分泌しないので、目が乾燥して外しにくくなっているため、無理に外すと角膜傷つける恐れがあるので、 人工涙液などで潤して浮かせるようにして外します。

Q.コンタクトレンズのケアは?
コンタクトレンズケアの基本:洗浄・こすり洗い・水道水は使わない

コンタクトレンズ障害の予防法は?
コンタクトレンズの購は眼科の処方に基づいて購入しましょう。
そして忘れがちになる定期検査を受けることが重要です。
それによって自分では気が付かない目の異常が発見でき、適切なレンズの使い方、点眼薬の使い方など眼科医から教えてもらうことができます。

Q.定期検査は、どれぐらいの間隔で受けたらいい?
3~6か月の間に受けることが望ましいそうです。
インターネットなどで購入している方の中には定期検査を受けていない方もいるそうですので、気をつけましょう。

Q.障害を防ぐためには、普段どんなことに気をつけたらいい?
目の調子が悪い時は装用しないようにしましょう。
また、若い頃から使っていた人が、年齢とともに涙の分泌などが変わりますので、
同じように使っていても、高齢になると目の調子が悪くなることがありますので注意が必要です。
外出先には、眼鏡を持ち歩き、目の調子が悪くなったら替えることが大事です。

最後に

目の中にほんの小さなゴミなどが入っただけでも痛いのにコンタクトレンズという異物を入れるなんて信じられませんでした。
私は目が悪くなったらメガネで良いな^^
目に関する記事は下記から
【きょうの健康】目薬の正しい使い方!結膜炎の治療法や予防を紹介
きょうの健康【ドライアイ予防】涙のセルフケア涙をパワーアップさせる方法
最後までお読みいただきありがとうございました。

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