【チョイス@病気になったとき】夏のせきに注意!原因と対処法を紹介!

チョイス@病気になったとき 夏のせき カビ 花粉

2019年8月10日放送のチョイス@病気になったときは、「ご注意!長引く夏のせき」について紹介されました。
暑い夏なのになぜかせきが止まらなくて苦しい思いをしたことありませんか?
夏かぜだと思って放っておくと重大な病気が隠れていることも!その原因は?どこでもいる?家の中にも生える?
教えてくれたのは、東京医科歯科大学 呼吸器内科 教授 宮崎泰成先生です。

夏のせき

Q.1回のせきで何カロリー消費する?
1回のせき=2Kcal消費するそうです。
ですから100回せきをすると200Kcal。
つまり、30分ジョギングするのと同じくらいのカロリーを消費してしまうんです。

夏の長引くせきの原因は?

●竹内さん女性(45)の経験談
毎年夏になるとなぜかせきに悩まされてきた竹内さん。
日中だけでなく、せきは夜も続きました。
竹内さん「せきは日中もつらかったが、就寝するために横になると、
とにかくせきが止まらなくて苦しかった」
睡眠不足やせきのため、仕事にも影響が出始めました。
周囲のすすめもあり、竹内さんは東京医科歯科大学 医学部付属病院(東京都文京区)の呼吸器内科を受診することにしました。
診断は「せきぜんそく」でした。せきぜんそくはぜんそくの一歩手前の病気です。
気管や気管支の粘膜が炎症を起こして腫れ、空気の通り道が狭くなります。
さらに住み込んだアレルギー物質の刺激により過敏になり、せきの発作が起こります。

血液検査の結果、せきぜんそくの原因が判明しました。それは「ブタクサ」。
ブタクサは道端や河原など日本全国どこにでも生える植物です。
8~10月にかけて花粉を飛散させます。
竹内さんはそのブタクサによるアレルギーでせきぜんそくになっていたのです。
せき喘息と診断された竹内さんの治療のチョイスは?
気道を広げ炎症を鎮める
・吸入ステロイド(朝晩1回ずつ)と
アレルギーを抑える飲み薬
ロイコトリエン受容体拮抗(きっこう)薬を使いました。
竹内さん「吸入ステロイドを毎日使用して抗アレルギー薬も毎日飲んでいれば症状は安定しています」

Q.ぜんそくとせきぜんそく どう違う?
せきぜんそく:ぜん鳴(ゼーゼー・ヒューヒューという音)がない(ぜんそくは気管が細くなっているため)
せきぜんそくは、そこまで細くなっていないため。
せきぜんそくの症状:せき⇒ぜんそくに移行する場合もあるので注意が必要です。
ブタクサ以外にも「ヨモギ」や「ススキ」もせきぜんそくの原因になるそうです。
原因となる物質が存在する環境に長くいるとアレルギーになることがあるそうです(感作といいます)。

Q.ブタクサの花粉症がある人はブタクサのせきぜんそくにもなりやすい?
花粉症はアレルギー鼻炎、せきぜんそくは同じアレルギーによる気管の炎症なので、花粉症の人はせきぜんそくになる可能性があるそうです。

●せきぜんそくの原因:花粉・ハウスダスト(ダニ・蛾・動物の毛)
悪化する原因:気温差・受動喫煙・運動・飲酒・ストレスなど
たんのない空せきが8週間以上続く
長引くせきの検査

  • 問診(どんな時どんな症状がでるか)
  • 聴診(呼吸の時異常な音がないか)
  • 胸部X線検査(肺炎なら白い陰が写りますが、せきぜんそくの場合は写りません)
  • 呼吸機能検査(思い切り吸い込んだ息を思い切り吐く検査)
  • 血液検査(上記の検査でせきぜんそくが疑われる場合さらに血液検査をし、原因を詳しく調べます)

◆せきぜんそくの薬

  • 吸入ステロイド
  • 吸入β刺激薬
  • テオフィリン
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬

花粉の時期が終わっても薬は半年~1年続けます。
翌年の反応を抑えるためにも薬は続けるということだそうです。
薬を続けていると反応しないことがありますが、やめてしまうとアレルギー反応が強くなることもあるそうです。

Q.薬以外のせきぜんそくの対策はある?

  • 家の中でもマスク
  • 部屋の掃除

夏に多く発生するカビがせきを引き起こす!?

●神田さん女性(65)の経験談
せきが出始めたのは10年前の夏のことでした。
8月くらいからせきが出始め、最初はひどくなかったそうですが、
頻繁にせきが出るようになったのが9月で神田さんを苦しめたのは乾いたせき、
さらに1ヶ月後にはせきだけでなく、38度以上の熱もでるようになりました。
神田さんは近くの内科を受診、X線検査の結果肺炎と診断されました。
すぐに入院し、点滴による治療を受けました。
結果症状は治まり、2週間後には退院することができました。
しかし、その翌年の夏も毎年夏になるとせきが出るようになりました。
8月くらいになると少しせきが出るので市販のかぜ薬やせき止めを飲んでいたそうです。
去年になると新たな症状も出てきました。
神田さんはせきだけでなく、少し歩いても息切れするようになってしまったのです。
さらに日に日に食欲もなくなり、55kgあった体重は48kgまで落ちてしまいました。
長引く咳の原因はなんなのか?東京医科歯科大学 医学部付属病院(東京都文京区)の呼吸器内科で詳しく見てもらうことにしました。
その結果は、「夏型過敏性肺炎」。
夏型過敏性肺炎は、カビが原因でなるアレルギー性の肺炎です。
神田さんの咳の原因は「トリコスポロン・アサヒ」というカビに対するアレルギーだったそうです。
トリコスポロン・アサヒは木が腐っているところや台所の水回りなど湿気の多いところに生えるカビです。
神田さんの家は築45年の木造建築だった上、湿気の多い山の中にありました。
トリコスポロン・アサヒにとっては絶好の場所だったのです。
神田さん「山の間にある家なので日が半日しか差さないので、
湿気が結構あって、黒いカビが家の壁などにありました」
カビは根を張り繁殖します。カビ取り剤などでキレイにしても根が残っているとまた生えてきてしまいます。

宮崎泰成先生によると、神田さんのような患者さんには
家を見に行き、「カビが生えていそうな場所をリフォームしてください」とアドバイスするということでした。
特に木が腐っている場所などトリコスポロン・アサヒが生えているところを削り取る。

そこで神田さんのチョイスは?
神田さんは病気を完全に治すために思い切って引っ越しすることにしました。
神田さん「家が古く、もっと日の当たるところに出ようと、中古住宅を買って引っ越しました」
神田さんは新しい住まいに引っ越してからは、旅行に行けるほどに元気になりました。

●夏型過敏性肺炎の症状

  • せき
  • 発熱
  • だるさ

風邪の症状に似ているためたいした病気ではないと思う人も多いそうです。
神田さんの場合、入院して家から離れたため、一時的に良くなったのですが、
家に帰るとまた症状が出る。そういうのを繰り返すと慢性化し、息切れ、呼吸不全が起こってきます。
トリコスポロン・アサヒ:
気温25℃以上、湿度80%以上で活発になり、胞子を飛ばします。

◆夏型過敏性肺炎の検査
せきぜんそくの検査に加え、気管支肺胞洗浄がはいります。
気管支肺胞洗浄:気管支にカテーテルを通し生理食塩水注入し、戻して細胞を調べる検査。

●夏型過敏性肺炎の治療
・環境の改善(トリコスポロン・アサヒを取り除くことが重要)
急性:酸素吸入・ステロイド
慢性:ステロイド・免疫抑制剤

Q.市販のカビ取り剤ではダメ?
表面のカビは取れますが、根までは届かないことが多いため削ることが重要なんだそうです。

最近の機密性が高いマンションでもカビは繁殖しやすいそうです。
アレルギーの人は大変ですね(;.;)

◆加湿器肺
冬でも「加湿器肺」という病気があり、 加湿器のタンクを洗わなかったり、水を残したりするとカビが繁殖し肺炎の原因になるそうです。

夏型過敏性肺炎の自己チェック

  1. 毎年夏になるとせきが出る
  2. 古い木造家屋に住んでいる
  3. 雨漏りがしたことがある
  4. 浴室に湿気がこもりやすい
  5. しばらく家を離れるとせきが治まる
  6. たんのない空せきが出る

せきが長く続き項目が多く当てはまる場合、夏型過敏性肺炎の可能性があります。
その場合、呼吸器内科を受診しましょう。

どこにでもいるカビが引き起こす夏のせきとは!?

●木村さん男性(28)の経験談
子供の頃からぜんそくがありましたが、薬の吸入で何とか抑えてきました。
しかし、1年前のことでした。いつも通り朝8時半に出社するといきなりせきの発作に襲われたのです。
せきが出始めたときにぜんそく用の吸入を多めにしましたが、変わらずせきが出て、
熱を測ってみると、なんと40℃!そして人に乗られているような胸の圧迫感もすごく強くなり苦しかったそうです。
急いで病院に行き、X線検査を受けました。
すると、木村さんの右の肺に異変が起きていました。
一部に粘液がたまっていたのです。
さらに血液検査を受けたところ、別の原因が分かりました。
「アスペルギルス」というカビだったのです。
木村さんは「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」と診断されました。
アスペルギルスに対するアレルギーがせきや胸の痛みを引き起こしていたのです。
さらに肺炎も併発していたため木村さんはすぐに入院することになりました。
入院中はステロイド(飲み薬)と肺炎に対する抗菌薬(点滴)で治療しました。
すると、2週間目の半ばくらいでせきも落ち着き、熱も下がり、
後半2~3日は症状も落ち着き退院できたそうです。

アスペルギルスは一体どこに潜んでいたのでしょうか?
宮崎泰成先生によると、
呼吸していれば、アスペルギルスを吐いたり吸ったりしているそうで、
ホコリの中にたくさんいるそうです。

確かに木村さん思い当たる節がありました。
職場も古い建物で、古い書類もあり、エアコンも適切に清掃していなかったため、
ホコリがたまっていたのではと思うそうです。
そこで木村さんのチョイスは?
職場のエアコンを業者に頼んで徹底的にキレイにしてもらうことでした。
するとそれ以来、木村さんはせきに悩まされることはなくなったそうです。
それまでは同僚もせきが出ていました、エアコンの清掃後は症状が落ち着いたそうです。
これは家庭でも言えることですね。

アスペルギルス:肺の中で、たんぱく質を溶かす酵素(プロテアーゼ)を出します。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は気管支をどんどん壊していく病気。

◆アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の症状
軽症:せき・たん・ぜん鳴
重症:発熱・食欲不振・血たん・胸痛・息苦しさなど
*放置すると気管支や肺が壊れ、元に戻らなくなることもあるそうです。
カビが生えやすい梅雨以降の時期にアスペルギルスが繁殖し、
ホコリの中に含まれていることが多いので、特にエアコンは注意が必要です。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症になる人のほとんどはぜんそくを持っているそうです。

◆アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の治療
ステロイド(飲み薬)
抗真菌薬

●アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の予防
部屋の中やエアコンの清掃
換気
除湿

Q.受診のタイミングは?
一般的には2週間せきが続いたら呼吸器内科を受診

長引く夏のせきは部屋のホコリ・エアコン・水回りには、
カビが多かったり、花粉などのアレルギー源が多いので注意!
さらに2週間せきが続いたら呼吸器内科を受診!

最後に

うちは日当たりも良いし、風通しも良いので、恵まれています^^
最後までお読みいただきありがとうございました。