【チョイス@病気になったとき】夏のかゆみの症状や原因と治療

チョイス@病気になったとき 夏のかゆみ 紫外線

2019年8月3日放送のチョイス@病気になったときは、「なんとかしたい夏のかゆみ」について紹介されました。
まぶしい日差しに流れる汗、それがかゆみの原因になる時があるんです。
紫外線・汗の対策グッズの正しい使い方とは?
教えてくれたのは、ひふのクリニック人形町 院長 皮膚科医 上出良一先生です。

夏のかゆみ

太陽光が原因のかゆみとは?

●吉井治子さん(54)の経験談
吉井さんの趣味は旅行です。
そんな吉井さんに異変が起こったのは、2018年5月。
旅行から帰ってきて、自宅で寛いでいると、腕の違和感に気付いたそうです。
最初はかぶれか何かだと思っていたそうです。
以前虫にかぶれたことがあったそうなので今回もそれかなと思っていたそうです。
画像がありましたが、左腕の外側にポツポツと小さな赤い湿疹らしきものがありました。
かゆみは徐々に広くなり、腕から胸元や頭皮まで広がったと吉井さんは言います。
かゆくてかきむしってかさぶたになるほどつらかったそうです。
発症から4日後皮膚科を受診。
吉井さんを診たひふのクリニック人形町 院長 皮膚科医 上出良一先生によると、
吉井さんのかゆみの原因は紫外線・・・ではないか?ということでした。
上出良一先生「腕時計の部分だけ真っ白なので日光が関係していると思った。
まず考えたのは「多形日光疹(たけいにっこうしん)」という病気です」
「紫外線が当たることによって、誰にでも皮膚にある成分が変化する。
普通の人は反応しないがある一定の人は湿疹反応を起こす、いわゆるかぶれを起こすんです」

通常なら皮膚に変化を起こさないような光線で起きるのが「光線過敏症」です。
中でも多形日光疹は、強い日差しを浴びた数時間後に湿疹が現れるのが特徴です。

吉井さんが処方されたのはステロイド薬(塗り薬)。
薬を塗り始めて数日後、症状は治まりますが、再び強い光線を浴びると再発の恐れがあります。

そこで吉井さんがチョイスしたのは・・・
徹底した紫外線対策でした。

外出するときは、露出する肌の部分には日焼け止めを塗ることを徹底。
さらに車を運転する時には、アームカバーをつけて日差しを遮断しました。
始めは面倒だったそうですが、湿疹のあのかゆさを思い出せば日焼け止めも我慢できたそうです。
その成果か?現在は症状は出ていないそうです。

多形日光疹:女性に多い光線過敏症。赤い湿疹が日に当たった数時間後~翌日に発症することが多いそうです。

Q.多形日光疹の見分け方は?
日に当たった部分のみ発症、腕の内側の日に当たりにくい部分には出ないそうです。
吉井さんの腕時計の部分に出ていなかったのもそれです。

Q.多形日光疹の治療法は?
・外用のステロイド薬を塗布
簡単に治る(1週間以内)ようです。

●多形日光疹の対策
・肌の露出が少ない服を着る
・日陰を選んで歩く
・日差しの強い時間帯(10~14時)を避ける

4Q.日焼け止めの正しい塗り方は?

日焼け止め 塗り方ポイント①
手の甲を使ってまんべんなく塗る
指先や手の平を使うと力が入りやすいので肌に良くないからです。

日焼け止め 塗り方ポイント②
2度塗り

Q.PAとSPFの意味は?

Sun Protection Factor

Protection Grade of UVA

PA:UVA=たるみ・シワ
SPF:UVB=日焼け・シミ

PAとAPFの表示は、UVAとUVBがどれだけ防げるかの指標です。
数値が大きいほど、紫外線を防ぐ力が大きくなります。

PA+++の場合、UVAの影響を10分の1に
SPF 50の場合、UVBの影響を50分の1に抑えることが出来ます。

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紫外線対策をしても防げないかゆみとは?

●伊藤圭二さん(41)の経験談
2年前から腕のかゆみに悩まされてきたそうです。
2年前家族で初めて潮干狩りに行った時、急に腕がかゆくなり、
我慢できないくらいのかゆみで血が出るまでかきむしりたいくらいだったそうですが、
腫れやかゆみは数時間で消えたそうです。
しかし、その後外出するたび、かゆみが繰り返し起きたそうです。
不安に思い皮膚科を診断、医師から「かゆみの原因は日光」だといわれたそうです。
処方されたかゆみ止めを塗ればかゆみは収まるものの症状がなくなることはありませんでした。
そこで伊藤さんは外出する時には日焼け止めを塗るなどしっかり紫外線対策をするようにしたそうです。
しかし、どれだけ紫外線対策をしても太陽の光に当たるとすぐに再発してしまいます。
発症してから外へ出るのもおっくうになり、ずっと室内にいるようなったそうです。
そこで別の医療機関に行くと、「日光じんましん」と診断されたそうです。
実は日光といっても伊藤さんの場合、原因は紫外線ではありませんでした。

上出良一先生によると、
日焼け止めを通ってしまう光、可視光線 いわゆるまぶしく見える光が原因になるだろうと言う事でした。

日光じんましんと診断された伊藤さんのチョイスは?
それはじんましんのかゆみを抑える「抗ヒスタミン薬」を毎朝外出前に飲み。
さらにアームカバーや日傘まで使って可視光線をシャットアウトすることにしました。
結果は、伊藤さん「最近は、かゆみがすぐに治まる。じんましんが出ても1~2時間で消える」

 
  多形日光疹 日光じんましん
原因 紫外線 可視光線が多い
発症のタイミング 半日後~数日後 直後
消えるタイミング 数日後 日陰に入って2~3時間後
治療 ステロイド 抗ヒスタミン薬

●日光じんましんが疑われた時
症状が出た部分と出ていない部分の写真を撮って受診

Q.可視光線の対策は?
・じんましんが出たらすぐに日陰に入る
・発症後は患部を冷やす
以上を繰り返し、
・少し日焼けして肌を黒くする
肌を黒くする効果:メラニン色素が可視光線も遮断するそうです。
日焼け止めは紫外線だけなので日光じんましんには効果がないそうです。

思わぬ原因でかゆみが起きたケース

山中さん男性(27)の経験談
趣味はサーフィンと筋トレで、週1・2回ジムに通うそうです。
トレーニング後は日焼けマシーンで肌を焼くのがお決まりのコースだそうです。
筋肉痛になった時には、自宅にある湿布を貼っていたそうです。
1ヶ月ほど前のこと、朝目覚めると内ももがかゆくなって、赤くただれていて、
ちょうど湿布の形(長方形)になっていたので湿布でただれたと思ったそうです。

何気なく貼っていた湿布が山中さんのバッドチョイスだったそうです。
山中さんはすぐに皮膚科を受診、上出良一先生によると、
ケトプロフェンによる「光アレルギー性接触皮膚炎」

光アレルギー性接触皮膚炎:
ケトプロフェンは一部の湿布に含まれる成分で、剥がした後でも成分は表皮に残り、
紫外線が当たると、成分が変化して炎症を起こします。
しかも、貼った場所以外でも炎症が起こることが分かっています。

実は、湿布薬(ケトプロフェンテープ)の裏側の注意書きにも「貼付部を紫外線に当てると“光線過敏症”を起こすことがあります」と
書かれています。
今、病院で処方された湿布を見るとそう書かれていました。
また、「戸外に出る時は天候にかかわらず、濃い色の衣服、サポーターなどを着用し、 貼付部を紫外線にあてないでください」とも書かれています。
湿布をもらう時、夏ですので薬剤師さんから、「かぶれることがあります」と注意されていました。
まあ、私はそれでも注意書きは読んでいませんでした(爆)
特に何もなかったので問題はありませんでしたが^^
山中さんはその注意書きを見落としていたため、日焼けマシーンで紫外線を浴び発症してしまいました。

そこで山中さんは、抗ヒスタミン薬(飲み薬)とステロイドの飲み薬・塗り薬による治療を始めました。
それでも3ヶ月後まではケトプロフェンが残っているため、再発のリスクがあります。
そのため外出時は日光に当たらないように帽子をサーフィンをする時にはボディースーツを着用するようにしました。
こうして3ヶ月やり過ごせば、症状は出なくなるはずです?

Q.湿布を貼る時の注意点は?
・湿布を人にあげたり、もらったりしない(※注意書きにもあり!)

●光線過敏症を引き起こす恐れがあるもの
・ケトプロフェン含有の湿布
・サイアザイド系高圧利尿薬
・香料・ライムのしぼり汁など

汗が原因でかゆみが出たケース

斉藤さん女性(54)の経験談
斉藤さんが初めて腕にかゆみを感じたのは今年の5月、腕の内側にポツポツと赤い湿疹ができていたそうです。
猫を飼っているので、ノミが原因と思い動物病院で相談。
しかし、飼い猫には、ノミ・ダニは見つかりませんでした。
斉藤さんの症状は、首元やウエストなどかゆみがどんどん悪化。
かゆみに耐えかねた斉藤さんは東京都新宿区 聖母病院の皮膚科のかかりつけ医に相談。
すると汗による湿疹であることが分かりました。

汗は汗腺で作られて皮膚の表面に吹き出し、その中には肌への刺激やアレルギーの元となる物質が含まれています。
そのため、大量にかいた汗を放置すると、皮膚が炎症を起こし、かゆみのある湿疹が出来るのです。
しかも斉藤さんの場合、湿疹が出来やすい理由がありました。

聖母病院 皮膚科医 小林里実先生によると、
斉藤さんは、元々アトピー性皮膚炎で湿疹になりやすいということでした。
そして、皮膚のバリア機能が低下しているそうです。

そんな斉藤さんのチョイスは?

それはステロイドを患部に塗ることでした。

さらにその塗り方にもポイントが
小林里実先生「軟こうやクリームは皮膚の表面に付いていてさえすればよいわけです。
決してすり込まない。すり込むとかいているのと同じ刺激を皮膚にあたえてしまいます」
皮膚表面を撫でる程度で良いのです。
この治療で斉藤さんの症状は1週間で改善したそうです。

あせもとの違い
あせもについては⇒ 【きょうの健康】あなどれない!大人のあせも あせもの予防と治療法

斉藤さんの場合は、汗の成分が皮膚に付着して発症したもの。

●アトピー性皮膚炎 汗の対策
・汗はかいた方が良いが、そのままにしない。
・シャワーで汗を流す。
シャワーが無理な場合は、柔らかいタオルを濡らして使うと付着した刺激物が取れやすい。
タオルは何時も使えるものではないので、汗拭きシートを携帯しましょう。

汗が原因で起きるもう一つの湿疹

泉さん女性(59)の経験談
1年ほど前、左足に強いかゆみを感じたそうです。
足がかゆいので靴下を脱いでみたら、左足の親指のつけ根に水疱が出来ていたそうです。
そしてすぐに皮膚科へ診断結果は「水虫」です。
処方された抗真菌薬を患部に塗布しました。
しかし、水疱は消えるどころか左足全体に広がっていったそうです。
さらに2ヶ月後、それは右足や手の平にまで及びました。
両足全体に広がり歩くことさえ出来なくなったそうです。

24時間手足がかゆく夜も眠れないということで「これは水虫ではない」と思ったそうです。
不安に思った泉さんは別の病院へ行ったところ、水虫菌はなかったそうです。
治療が行き詰まったそうです。

あまりにもひどかったので家族にも見せられず一人で悩んでいたそうです。
立つことも出来ず、食欲もなく、症状をみるたびにつらかったそうです。

そんな泉さんがチョイスしたのは?
専門医を調べ、受診。
そこで告げられたのは、「汗疱(かんぽう)」でした。

汗疱(異汗性湿疹):汗が大量に分泌されると、肌の表面に出る前に内側にも漏れ出します。
汗腺からしみ出した汗はまとまって塊となり、皮膚の表面を押し上げ、水疱が出来ます。
すると炎症が起き、強いかゆみを引き起こします。
そして泉さんが歩けないほど悪化してしまった理由がありました。
聖母病院 皮膚科医 小林里実先生によると、
いったん水虫の薬でかぶれてしまうと非常に激しい皮膚炎を起こすそうです。
泉さんはすぐに入院、かぶれを治すステロイドの飲み薬と炎症を鎮め皮膚を修復する亜鉛華単(かたん)軟こうを使って治療が始まりました。
泉さんは翌日には変化に気付いたそうです。
2日目からは日に日に良くなっていくのが自分でも分かるくらいだったそうです。
しかし、良く専門医を見つけましたね。

この汗疱は汗っかきの人がなりやすいそうです。
足の裏や手の平に出来る場合が多いそうです。
また、水虫と間違えやすいそうです。
上出良一先生のところでは皮膚を採取して菌がいるか調べるそうです。
ただし、菌がいたら分かりやすいそうですがいない場合は、医師でもどちらかとても悩むそうです。

汗疱の治療:通常はステロイドの塗り薬を使うそうです。
受診のタイミングへの目安:1週間以上症状が続く時

最後に

夏は肌にとって厳しい季節、野外での活動では汗をかきますし、虫などに刺されるなどありますから、
症状の写真を撮っておき、受診時に持参したら診断がしやすいそうですので良いそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。